続PIXTA起業ストーリー2

前回の続起業ストーリー1の続きです。

2006年5月31日にPIXTAをリリースしてからは毎日数十~数百点ずつコンテンツが集まり、徐々に素材サイトらしくなっていきました。最初はコンテンツ集めに主眼を置いていたので決済機能はつけずにリリースし、1ヶ月後ぐらいにやっとクレジットカード決済機能を導入しました。

もちろんすぐに売れることはなく、知り合いベースでお情け程度に数点購入してもらってという状態が1~2カ月間続きました。そしてコンテンツが1万点近くになったときでしょうか、8月の暑い日に初めて新規顧客から購入があったのです。

売れたのはウェディングイメージの写真が3~4点、総額6000円の注文でした。今でも忘れもしないその瞬間の正直な気持ちは「ほんとに売れるんだ・・」というものでしたw。5年以上たった今では1日数百件の取引がありますが、クリエイターと顧客が初めて結びついたこの取引がPIXTAの原点であり、それまでの長い準備期間が報われて初めて世の中に価値を生むことができた瞬間でした。

しかし喜びもつかの間、その後も期待したほどにはまったくいかず、数日間に1回ぐらい売れる感じで、年が明けて2007年になってもほとんど状況は変わりませんでした。1ヶ月の売上が数万~数十万円という状況が1年近く続き、しかもその間に複数ベンチャーキャピタルから数千万円の投資を受け、人も10人近くまで増やしていました。

当時は月間数十万円の売上でコストが数百万円かかっていて、まさに生きた心地がせず、毎日が針のむしろ状態でした。コンテンツは増えていても売上が比例しなかったのは、今から思えばサービスとして本当に顧客目線で考え抜いていなかったのだと思います。

もちろん何もしていなかったわけではなく、デザインを刷新してみたりまずはフリー素材を簡単にダウンロードできるようにしてみたり、メディアに取り上げてもらえるよう働きかけてみたりと考えられることは全部やってみたつもりでした。しかし状況は一向に変わりませんでした。

はたしてその状態からどうやって抜け出せたのか?

・・・はまた次回書きたいと思います。