ネットベンチャーを8年間やってきて学んだ役に立たない10のこと


こないだピクスタアンテナという当社のオウンドメディアで僕が書いた「ネットベンチャーを8年間やってきて学んだ20のこと」という記事が恐ろしくバズった。(3万PV!)

そこで続編として、個人的には学んだことだが、他人には役に立たないであろうことも10個あげてみた。

ピクスタアンテナでは事前に止められ陽の目を見ない可能性があるので、こちらでコソーリ公開するです!


1)誰よりも早く歩く

歩くスピードは人生のスピードだと思い込んでいる。


2)鬼嫁と結婚する

社長なので会社で怒られなくとも、家で怒られるので謙虚でいられる。


3)スーツは着ない

個性として着るのはいいが埋没を避けるためにスーツは着ない。帝国ホテルの表彰式でも着ない。そして広報に怒られる。


4)人には会わない

人に会わなくても売上が伸びる収穫逓増のビジネスモデルを追求する。しかし実は単に人見知りなだけ。そして社長なのに初めての出張が創業6年後。


5)アダ名をつける

新人が入るとすぐにアダ名をつけて、社内になじむ配慮をする。しかしほとんどは定着せず自分だけが呼んで終わる。


6)ただの返答にも創意工夫

いまどきのネット企業はチャットでコミュニケーションを取っているが、常に改善の意識を持ってちょっとした返答も工夫する。

例)「了解しました→了解サマンサ」「ありがとうございます→ザーマス」「なるほどです→なるほ丼」など。スルーされてもめげない。


7)サッカーは効率的に見る

サッカー好きなネットベンチャー経営者は多いが、1試合1時間半という時間はなかなか取れない。消極的選択肢として2倍速で見る。


8)体調管理に気を遣う

カップラーメンorやきそばを食べるときにはサラダや野菜ジュースも一緒に摂って中和される気になる。しかし中和されるわけがない。


9)クレジットカードは10枚以上つくる

最終手段の借入先としてコミットメントラインを設定しておく(カードつくるだけだけど)。僕は5枚ですんだが、つくれるだけつくっておく。


10)とにかく気合いと根性で乗り切る

やっぱり最終的には気合と根性、と肝に銘じる。4時間かけて請求書の封入をしていた頃を忘れない。


ということで、少しでも起業を志すみなさんのお役に立てればうれしいです。役に立たない!と思ったらぜひシェアをお願いします!

ピクスタマフィア?

ありがたいことに最近はいろいろな形で記事やブログで取り上げていただける機会が増えてきた。


記事の中で「ピクスタマフィア」と言われているが、もちろんペイパルマフィアとは比べようもなく、ピクスタ出身ではまだ2人しか起業していない笑。(他1名準備中)

ということでおこがましくもあるが「ピクスタマフィア」の名付け親であるEast Venturesの松山太河さんが2人に出資もしてくれていて、僕としても嬉しい限りである。

実際に起業した2人は、調べるおさんの記事にあるようにインターン仲介サイトJEEKを運営するTechouseの磯辺くんと、今年の1月に会社設立したばかりのGorooの花房くんである。2人とも学生起業で、基本は休学して事業をおこなっている。

2人ともかなりの気合いと反骨心を持っていたので、それなりにやりきれるだろうと思って僕も後押しをしたが、正直ここまで順調にいくとは思っていなかった。僕の起業時と比べるとまぶしすぎて目を背けてしまうぐらいだ。

本当は起業してもいけるぐらいの超優秀な学生は、せめて3年ぐらいはピクスタでがんばってもらってから起業してくれるのが個人的には理想なのだが、本気でやりたいと思ったら止めても無駄だし、実際早ければ早いほど成功の確率も高まっていくと思う。

ところで調べるおさんの記事で「古俣さんの出身であるガイアックスもAppBankのマックスむらい氏などを輩出している。そういった伝統がピクスタにも受け継がれているのかもしれない、なんて思ったり。」とあるように、まさにガイアックスマフィアは数多く存在している。

Appbankのマックスむらい氏、ソーシャルベンチャーであるウィングルの長谷川氏、去年Findjobスタートアップをメディアとしてブレイクさせた井手氏、サイバーエージェントベンチャーズ北京代表の戴氏、Tokyo Otaku Mode CFOの小高氏、あとこないだまでガイアックスCOOだった中島氏も今年になって起業した。また現ピクスタ役員の遠藤もガイアックス創業役員の1人である。

ちなみにピクスタ創業時はオフィスをガイアックスに間借りしてスタートしたが、住まいも表参道にあったガイアックスの寮に間借りさせてもらっていた。そのときに上記のマックスむらい氏、長谷川氏、井手氏、戴氏の4人もインターンまたは社員として寮に住みこんでいて、1年間一緒に生活を共にしていた。

当時の寮生はとにかくお金がなく、僕も起業したばかりで全然余裕はなかったが、無理して松屋リンガーハットをよくおごっていた。今になって偉くなった彼らにおごっといてよかったな~と思う日々である笑。

ガイアックスメンバーの横のつながりは強くて、いつでもなんでも相談し合える空気があってとてもありがたい。ピクスタを成長させてメガベンチャーとなることで、いろいろとお世話になったガイアックスにも恩返しをしたいと思っている。

今年もありがとうございました2013&振り返りランキング

今年も無事に1年が終わろうとしている。
PIXTAは5月にリリース7周年を迎え、満点とはいかないまでも今年もいろいろな展開ができた。
 
そこで今年のPIXTAにまつわる個人的に印象に残った出来事を、ランキング形式で振り返ってみるです。


第5位 インターン採用開始

これまでピクスタは中途メインで採用をおこなってきたが、このあたりで意識の高い学生を投入して組織内に化学反応を起こすのも良いかと思い、ETICさんの協力を得て2月から採用を開始した。
(ちなみにETICさんにお世話になるのはガイアックス時代と1社目の立ち上げ時に続き3回目である)

1人目でやってきた花房くんという当時横国大の2年生は、古着好きということで面接時にヨレヨレの魔法使いのような格好で現れ、さらに落ち着きがまったくなかったが勢いで採用してしまった。

しかし数カ月後には見違えるように成長し、ある程度の案件までは任せることができるようになって卒業していった。それから1年がたとうとしている今は起業準備中で、僕から見てもけっこういい線までいけるんじゃないかという予感さえ持てるぐらいになっている。

学生はそういう予測不能な非連続成長をするから面白い。その後も普通じゃない学生を数人の受け入れている。


第4位 初の英語プレゼン@ベルリン

11月にベルリンで開催されたマイクロストックフォトエキスポという、世界各地からマイクロストックプレイヤーが集うイベントに参加し、PIXTAのプレゼンを行う機会があった。

当然英語プレゼンなので、事前に社内の帰国子女メンバーを中心に原稿を練ってもらい、数十回の練習を経て望んだところ、それなりに良いプレゼンができた(らしい)。

しかしプレゼン後に「おもしろかったよ」と何人もの欧米人が話しかけてくれたが、そこで英語力不足が思い切り露呈し、表面的な会話しかできずに終わってしまって結果的には自己嫌悪で終了…orz。

「やっぱ帰ったら英語を1番がんばろう!」と毎度思う結果になりましたとさ・・。


第3位 広報の本格スタート

これまでは主にグロースハック的な改善につぐ改善によりPIXTAを伸ばしてきたが、もう一段上の成長を実現するにはということで、広報の重要性を再認識したのがちょうど1年前ぐらいだった。

2009年~2010年ぐらいに起こった副業ブームのときには、テレビや雑誌に毎月のように取り上げられてそこでかなりのユーザーを獲得できたが、ブームが沈静化したあとはあまりメディアに取り上げられることも少なくなった。

そこで6月に広報専任のK嬢を採用し、こちらの記事にあるように無理やり肉を食べてもらいながら広報活動を本格化したところ、半年の間にけっこうな媒体に取り上げてもらうことができた。

これまで制作業界にしかなかった知名度も徐々に広がってきている実感もあるが、来年はさらに多くの人に知られるような活動を行っていく予定。


第2位 海外展開①→シンガポール子会社設立

国内が軌道に乗った今、そろそろ海外展開だろうということで、役員3人でシンガポール/マレーシア/台湾を10日間かけて弾丸リサーチしてきたのが2月。

そこで出た方針を元に、コンテンツ担当役員の内田氏と海外赴任を希望していた岡氏のコンビで、ステルスでシンガポールで活動を始めたのが5月。

そこからはずっと2人でホテル暮らしでかなり大変だったと思うが、半年間で初動としてはけっこうな成果をあげてもらい、晴れて11月に現地法人設立となった。

異国の地でまさに徒手空拳で立ち上げた2人のバイタリティは、これぞベンチャー!ということで
手前味噌ながら本当に尊敬っす。。
(僕ではたぶん無理ぽ・・)


第1位 海外展開②→PIXTAの他言語化

海外展開のもう1つの柱として、7月に英語版、12月に中国語版をローンチした。

当社の商品はビジュアルコンテンツなのでそもそも海外展開しやすいこともあるが、マーケットプレイスとしてそれなりの仕組みボリュームがあるので、1年で2つの言語を立ち上げられたのは褒められてしかるべきだと思う。

まだ取引金額としては微々たるものだけど、アジア含め世界中から素材がダウンロードされ始めているし、数年後のアジアNo1という目標に向けて良いスタートを切れたと思う。

リードエンジニア白倉氏を中心に、企画・開発メンバーが一丸となって頑張ってくれた成果ということでお疲れさんでした!


以上、振り返ってみると今年は海外展開がスタートした大きな節目だったと思う。
来年もさらにがんばります!

PIXTAのテレビ放映!

今日9月13日金曜日の15時35分~16時のテレビ東京L4you plus」という番組で、PIXTAが取り上げられます!

PIXTAクリエイターの撮影風景や顧客の使用事例、ピクスタオフィスの紹介に僕のインタビューまで盛りだくさんの内容です(たぶん...)。

平日の夕方ですが、見れる方はぜひご覧ください!

※先日の撮影風景

英語力

2020東京オリンピックが決まってめでたい雰囲気の中、危機感はつのるばかりである。
何のことかというと、自分の英語力について。

ここ1~2年で僕も英語を使う機会が一気に増えてきた。

もちろんPIXTAの海外展開に関連するものが多いが、英語力が足りないことを最も悔やむタイミングは、海外競合サイトのトップとの会談である。

日本でPIXTAがゆるぎないポジションを固めつつある中、やはり海外の大手サイトとしては見逃せない市場である日本を攻略するため、当社にアプローチしてくる。

僕らとしても、はるか先を進んでいる特に欧米のモンスターサイトの実情や戦略を肌感覚で知れるまたとないチャンスなので、積極的に情報交換しにいく。

しかしそこでリスニング、スピーキング力の不足が壁となり、聞きたいことの半分も聞けずにタイムアップとなってしまう。毎回実にもったいないと思う。
(幸い内田・遠藤の2人の役員が英語がイケるので実際なんとかなっているが)

結局これまで本気で英語を身に付けてこなかった自分の責任なのだが、今になってその代償がコミュニケーションコストの壁、ひいては世界への壁となって現れ、本当に残念すぎる。
(といっても徐々には向上していて(はず)、そう遠くないうちに不自由なく英語でやり取りできるようにはしたいと思っているが)

この状況になって思うことは、よく言われるように、むしろ日本国内である程度の規模のビジネスが作れることが災いしているということである。
(ただストックフォトはある意味ニッチなので、いち早く海外に出る決断をして実行に移したのは幸いかもしれないw)

日本国内のみでビジネスを完結しているうちは英語を使う機会がない、というか使いたくても使えない。英語を口に出して使うためには、わざわざそのための時間を別に取って英会話スクールに行ったりやオンライン英会話を受講したり、周りに人がいない部屋で音読するとかしかできない。

これは事業の成長にすべての時間を投下したいベンチャー経営者としてはかなりの無理ゲーである。

その意味では楽天の英語公用語化も、多少強引だけど危機感はものすごくわかるし、全社員の7割が不自由なくコミュニケーションできると一気に事業展開の可能性が広がるのは間違いないと思う。

ということで今夜も睡眠と英語勉強のトレードオフと戦いながら、そして1週間前に録画してあるマンU×リバプール戦の誘惑をはねつけながら英語力向上にがんばろう。

ピクスタ設立8周年!

8月25日の今日で、ピクスタの設立8周年を迎えることができました!

PIXTAのサイトとしてのリリース7周年のお祝いはこないだ5月に行いましたが、今回は会社設立記念になります。

ピクスタは8年前に1人でガイアックスに間借りしてスタートした会社ですが、8年経って振り返ってみると、もっと成長できていたはず、という思いと、よくここまでやってこれたもんだ(自分で自分をほめてあげたいw)という両方の思いが実感としてあります。

会社設立時に個人のビジョンとして持っていたゴールイメージに対しては、まだ2割ぐらいの進捗ですが、徐々に近づいているという感覚は確実に持てています。

現状を自分なりに認識すると、国内ではダントツのポジションを取りつつあり、今年から開始した海外展開にも手応えを感じながら、非常に優秀なメンバーが集ってくれているという状況で、つまりは最高にエキサイティングな毎日を送れているという、経営者として幸せなことこの上ないという現状になります。

最近になって思うことは、事業の様々な課題に対してコツコツと対処してきた結果、もはや他社が追随できないレベルの仕組みを作り上げることができた、そしてそれが海外展開においても通用する可能性が高い、ということです。

これからも仕組みを磨き続け、新たな展開にも挑戦しつつ、まずはアジアNo1というビジョンに向けてがんばっていきたいと思います。

PIXTAの広報強化

前回の屈辱のブログからだいぶ間があいてしまった。

その間にPIXTA英語版がリリースされて世界中から素材が購入されたり、素材点数が500万点を超えたり、僕のPIXTA7周年の怪盗コスプレは別に話題にならなかったが、引き続きPIXTAは順調に成長している。

最近のトピックとしては、PIXTAの広報活動の強化である。

PIXTAのクリエイター、顧客を合わせると25万アカウントぐらいの登録があるが、まだまだ認知度が足りていない。ネット業界・クリエイティブ業界の人ですら、PIXTAの説明をしても半分ぐらいには知られていない。

PIXTAのようなストックフォトサービスでは、様々なキーワードでの検索エンジンからの流入も非常に多いが、「元々知っているサイト」で素材を探す場合も非常に多い。

さらに最近では、一般企業や個人事業主の素材活用も徐々に増えてきており、全国の事業社数百万社への知名度向上が成長に直結するようになってきている。

ということでこれまであまり広報活動を重視してこなかったのを反省し、6月から広報専任のK嬢に入社してもらい広報活動を本格スタートしたのだった。

これまでの2ヶ月ちょっとの成果としては、

・ネットニュース 9本
・新聞 4紙
・雑誌 1誌

ということでまずまずの成果となっているが、実際に大きくユーザー増につながるスマッシュヒットは出せていないので、年内には1~2本のホームラン級のメディア露出を実現し、多くの人に知ってもらって活用してもらいたいと思う。

そのための現状の課題としては、広報担当K嬢のカロリー摂取量である。

K嬢は僕も驚くぐらいのハードワーカーなのだが、風速30mぐらいで浮いてしまうのではというぐらい細い。そして普段仕事に熱中するあまりほとんど食べずにすごして1日300kcalぐらいしか摂取しておらず、油断するとさらに細くなってしまうらしい。

そこで毎週、渋谷名物の東京トンテキで、ハードワークに負けないカロリーを摂取してもらうことを経営者としてタスク化したお盆の週初めだった。

取材はいつでも歓迎しますのでご連絡ください!