続PIXTA起業ストーリー7 成長期突入

続PIXTA起業ストーリー3でも書いたとおり、PIXTAはリリースから3年程度でようやく成長軌道に乗り始めることができました。

当時の自分が感じていたことはよく覚えていて、今でもよく思い出します。2009年3月の売上がカクっと伸び、「あれ?これまでとは何か違うな?」と思ったのですが、今から見るとそのときがターニングポイントであり、成長期に入った瞬間だったのだと思います。

しかし当時はまだ半信半疑で、数ヶ月間は「この売上はたまたまで、また元に戻ってしまうかもしれない」という不安に駆られていました。なので特に浮かれることもなく粛々と業務にいそしんでいました。

しかし減る一方だった現預金は毎月増加しはじめ、売上の増加ペースも徐々に高まっていきました。不安は杞憂に終わり、軌道に乗ったという確信に変わって「これまでやってきたことは間違っていなかった」という思いを強くしたのでした。

また2009年4月1日に社名変更をしており、「株式会社オンボード」から「ピクスタ株式会社」に変更しました。「PIXTAにすべてを賭けてやっていこう」という思いでの社名変更でしたが、その覚悟が乗り移って成長フェーズに入れたのかもしれません笑。

ちなみに成長期に入った後も、引き続き極力低コストでの運営をおこなっていました。オフィスは中目黒の立地の悪い雑居ビルで人材も最低限しか増やさず、オフィスの掃除なども毎週ジャンケンで当番を決めて(僕も含めて)自分達でやっていました。

掃除制度は役職など一切関係なく、ジャンケンに負ければそれぞれ掃除機、机拭き、トイレ掃除を1人ずつ担当するというストイックな制度でした。ちなみに僕は公私ともにトイレ掃除に命を賭けていて、当時他のメンバーのトイレ掃除後に、姑のようにチェックをしてダメ出しをしていたのはなつかしい思い出です。

ベンチャーとしては本来ここで投資を増やし、さらなる成長を志すべきだと思います。しかしそれまでの厳しい資金繰りによる超低コスト運営が染みついていたのと、はたしてどこに資金を注入すればさらに成長するのかという方針が固まりきっていなかっという理由で二の足を踏んでいたのでした。

この状況から、いくつかの出来事がきっかけとなって「超低コストの上で業績を伸ばしていく」というスタンスから「最大限の成長を実現するために必要な投資を惜しみなくしていく」というスタンスに変わっていったのでした。

それについてはまた次回。