忘年会で役員が体を張ってみたが若干不発気味だった話(思いのほか大作バージョン)

今年10月のリーダー会議のときの話。

※リーダー会議=20人以上各部署のリーダーが集まる月2回の会議

 

今後の納会をどうしていくべきか、という議題を僕から出した。

 

・・・経緯を説明すると、我が社では10年以上、納会というものを開催してきた。

 

最初は10人に満たない頃、毎月末に、メンバー全員でオフィスで料理をして懇親会をすることから始まった。人数が増えてきてからは、四半期ごとにケータリングを取り、部署ごとに企画をしたりして続けてきた。

 

しかし、ここ1〜2年でいくつかの問題が起こってきた。

 

これまで納会は夜に開催してきたが、育児中で参加できないメンバーが増えてきたこと、幹部が海外などに出張が増えて不参加率が高くなってきたこと、部署の企画負担が大きくなり、またマンネリ化してきたことなど。

 

そこでリーダー会議では、納会というスタイルをいったん終了し、半年または年1で社員総会のような形に変えるほうがいいのでは、という提案をした。総会のコンテンツとしては、半期または1年の振り返り、MVPなどの表彰、また出し物などをやれば盛り上がるのではないかなど、割とドヤ顔で説明していたと思う。

 

すると「出し物」というキーワードに反応したエンジニアリーダーの1人であるゴトウが噛み付いてきた。

「出し物ってまさか新人とかにさせるやつですか?それって割と最悪じゃないですか?」

僕としては新人にさせるつもりは毛頭なかったので、つい反射的にこう答えた。

「いや新人に強制させる会社とかってダサいじゃん。役員が率先してやるんだよ役員が!」

 

一瞬沈黙が流れたあと、ゴトウが再度こう言った。

「それは本当にやめてくださいww。みんな引きますよw」

 

その議論はそこでいったん収束した。

 

しかしその後、自分の中で「役員による出し物」がずっと引っかかり続けていた。

ちょうど年末だし、役員総出で体を張った出し物もありではないか、と。

 

今年の9月で上場してから丸4年がたっていた。株価はイマイチさえないが、既存事業は堅調、新規事業はいい形で軌道に乗りつつあり、2020年から次のステージに行ける確信が持てるようになってきた。

 

ここで役員が体を張り、今までにないチャレンジを見せることができれば、来年に向けた良い刺激になるのではないか。また社内に向けて、今いるコンフォートゾーンから脱却すべき、というメッセージにもなるだろう。

 

というような思考を巡らせていたときに、突然体に電気が走ったようにとあるイメージが降りてきた。昭和時代に一世を風靡したの5人組のグループ・サウンズ◯◯◯の歌唱シーンだ。

 

その瞬間、これだ、これしかない、と直感した。

伝説のグループ◯◯◯に扮した役員のエンドウとオンダを見てみたい。

爆笑されるか引かれるのかを確かめてみたい。

そんな思いが止められなくなった。

 

それから数日間、出し物のイメージを脳内でシミュレーションしていった。

 

そして11月も押し迫った経営会議で、その提案をした。これまでピクスタ役員は、自分以外にコスプレなどしたことはない。拒絶反応も覚悟していた。

 

「今年の忘年会は自分と総務チームでプロデュースしたい。そこで役員全員で◯◯◯として登場したいんです」

 

一瞬場が凍りついた。

数秒後、役員のエンドウが、引きつった顔で絞り出すようにこう言った。

 

「個人的には嫌です」

 

ん?個人的には?つまり公的にはOKなのか?

そこで一気にたたみかけた。

 

「今年は粛々と既存事業を進めてきたから、社内の雰囲気的に若干の停滞感もあるかもしれません。そこで役員による、これまでにない挑戦を見せることで、来年に向けたよいメッセージになるのではないでしょうか。

何より絶対にウケる自信があります。だってエンドウさんとオンダさんの◯◯◯ですよ!」

 

いつになく力説していると、役員のウチダが言った。

「古俣さんがワンマンなところを見たの初めてですねww」

 

こうして、役員の中でここまできたらやり切るしかないという空気ができあがった。

 

その後総務チームのケイノ&オクヤマ両氏と準備を進めながら、やる気と不安が交錯する日々をすごした。

 

(社風的にどういう反応が出てくるのかまったく読めない)

(完全にすべったらどうしよう)

(エンジニアがまだ焼きそばを焼いたほうがマシだと思い、職場に絶望するかもしれない)

(これで役員を誰も目指さなくなったらヤバいな)

 

だんだん不安のほうが大きくなり、マイルドな企画へと流れていった。

 

・がんばって歌うのはキツイから口パクにしよう

・歌と同時に今年の振り返りプレゼンを総務チームにやってもらおう

・プレゼンの合間にサビだけ何度か歌うだけにしよう(実際は口パク)

 

こうしてどんどん半端な企画になってしまった。

 

そして忘年会当日。◯◯◯改め、ピック&スターとして登場した写真はこちら。

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※一番右は巻き添えで出演した人事部長の秋岡氏

 

総務チームががんばって衣装などを揃えてくれたため、ビジュアル的にはかなりの完成度になったと思う。

 

しかしやはり出し物としての半端感はぬぐえずに終わった。

(総務のケイノ氏の振り返りプレゼンは90ページ以上の大作で完璧だった…)

 

忘年会が終わってから何人かのメンバーに感想を聞いてみた。 

 

「インパクトはあったけど、何がしたいのかイマイチわからなかったですね」

「歌うのかと思ったら歌わないんですね…」

「総務のケイノちゃんの振り返りプレゼンはとてもよかったです♡」

 

結論としては、爆笑されるでも引かれるでもなく、「おぉ〜、で?」という微妙な状況で終わってしまったのだった。。

 

悔しいので、またリベンジがあるのか!?

 

ということで、やたら長くなってしまいましたが、上場企業の役員というものの日常を少しでもお伝えできたら幸いです。

 

それでは今年も本当にありがとうございました。

みなさまよいお年を!

 

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注:管理担当役員のオンダ
注2:ゲッ◯ではない

 

ピクスタの海外リーダー紹介

ここ数年、本格化しているPIXTA事業ののアジア展開。

まだまだ0→1フェーズなので数値等は公開していないが、確実に軌道に乗りつつある。
 
海外展開は、現時点ではアジア市場を面ととらえ、アジア全域で売れるコンテンツ=パンアジアンコンテンツの創出と、それらを生み出すクリエイター支援に軸を置いている 。
 
そして現在ピクスタの海外拠点は5つ。
開設順にシンガポール・台湾・ベトナム・タイ・韓国である。
さらに各国を周遊する部隊もある。
 
それぞれに責任者がいるのだが、全員30〜40代の精鋭であり、いわゆるエース人材である。もともと海外での採用のメンバーもいるが、何人かは日本の本社から赴任している。
 
日本からの赴任の場合、その部門のエースが抜けることになるので、大きな穴があくことになる。しかしその後、ちゃんと穴を埋められる人材が育つのがまた組織の不思議である。
 
ということで、今回はそれぞれの拠点責任者を紹介したいと思います。
 
○シンガポール
某大手不動産情報サイト企業出身の才女である加藤あすか氏。シンガポールから、各国のWebディレクション・プロダクト戦略を指揮する司令塔である。先日第一子を出産し(めでたい!)、4ヶ月のスピード産休を終えて復帰してくれ大変助かっております。

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○台湾
ラジオ局のディレクターや外資系ゲーム会社でのプロデューサー、某大手ゲームメーカーのアジア担当部長などを歴任してきた越知氏。とにかく明るく前向き、人が大好きエンタメ大好き台湾大好きで、ローカルメンバーをしっかりまとめて成長につなげてくれている。 さらに台湾責任者を兼任しつつ、各国のパンアジアンクリエイターの獲得・育成に乗り出している。 

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○ベトナム
ベトナムはハノイにある開発拠点であるが、責任者は日本の初代開発部長である小張氏。PIXTAの黎明期から、あらゆる開発を担ってきてくれたハイパーエンジニアである。4年前にハノイに1人で乗り込み、今では40人の現地人材を率いている。頭が切れて技術も人格も筋肉もレベルが高い、三国志における趙雲的存在。

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○タイ
タイに生まれ、日本で東大・阪大を卒業したPiya氏。PIXTAにとってタイ市場はまだ不透明であるが、その中でもタイ事情に精通し、日本とのコミュニケーションもスムーズに取れる貴重な人材。不透明な中でも、持ち前のロジカルさでタイ市場の中でも徐々に存在感を発揮してくれている。

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○韓国
若干29歳で初代経営企画部長だった金氏。韓国展開のため、自ら現地リサーチに赴き、買収候補を見つけ、交渉をまとめあげ、自らトップに就くという離れ業をやってのけた。しかもそれから2年で成長軌道に乗せつつある。これほど精神的、肉体的にタフな男は見たことがない(本人曰く、サッカーに打ち込んだ経験の賜物とのこと)。

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○コンテンツ周遊部隊
パンアジアコンテンツをスケールさせるべく、各国を周遊しながら、各地のモデル、カメラマンとコンテンツ撮影をしまくっている部隊がある。責任者は日本で撮影チームのリーダーであった筑城氏。筑城氏は、ピクスタ入社前は、コピーライターをやりながらモデルもこなしていた謎の人材である。抜群のセンスとリーダーシップによって、アジアを席巻するコンテンツ&クリエイター量産を期待。

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ということで、この強力なリーダー陣が全精力を注いでいるアジア展開なので、数年後が楽しみである。
 
余談だが、アジア各国で素材作品の売上が伸びているので、そのうちどこの国or都市で作品が売れたのかを投稿クリエイターさんがわかる機能をつけたいと思っている。

遺伝子がオンになるということ


こんにちは。これがすでに今年2本目のブログということに小さな達成感を覚え、自分の志の低さに愕然とした古俣です。

先日とある会で、かねてから尊敬していたIDOM(旧ガリバーインターナショナル)創業者の羽鳥会長にお会いできる機会がありました。
 
羽鳥会長といえば、現在のスタートアップ業界ではそれほど知られてないかもしれませんが、90年代に中古車買取専門店ガリバーをゼロから5年弱で500店舗まで拡大させたり、設立4年で会社が上場したり、60歳を超えてアメリカをマラソンで横断したりと、不可能を可能にしてきたスーパー起業家なわけです。
 
その羽鳥会長がよく「遺伝子がオンになる」という話をしているのですね。


羽鳥会長の超人的エピソード


羽鳥会長が30代のときに、義兄とやっていた会社が詐欺にあって倒産し、再起を図ろうと中古車販売を始めたが、資金もなくプライドも邪魔してなかなか行動できずに悶々としていた時期。
 
そこにチンピラ風の男がやってきて「羽鳥のやつらは夜逃げしたんだってな」と、夜逃げなどしていないのにそう言われたと。そのとき全身に鳥肌がたち、体中の血が逆流するように体が震え、怒りがこみ上げてきたそうです。そして「俺は絶対に再起してみせる」と決意したと。
 
そのときに火花が散るように自分の遺伝子がオンになった、と羽鳥会長は言っています。
 
遺伝子がオンになる、というのは、筑波大学の村上教授という、長年遺伝子の研究をされてきた方が提唱されている話で、すべての人間の遺伝子は99.5%が同じであると。そしてほとんどの遺伝子は眠ったまま一生を終えるのだそうです。しかし偉大な成果を出す人間は、何かのきっかけで眠っていた遺伝子がオンになったからだ、ということだそうです。
 
羽鳥会長は遺伝子がオンになった結果、超人的な行動力を発揮し、まずは1万円で仕入れたカローラを知人に頼み込んで45万円で買ってもらうところから始め、普通は1人で月に3〜5台売るのが限界である中古車販売を、1人で月50台、年間600〜700台を売り切り、その結果、3年間で3億円の借金を返済したという驚異的なエピソードがあります。
 
僕はその話をまだピクスタ創業の頃に雑誌で読み、人間その気になればどんなことでも実現できるものだと、とても勇気づけられことを覚えています。
 

19歳のときのイスラエル体験 


そして振り返ってみると、自分にも実は遺伝子がオンになったのかもしれない瞬間が2回ほどありました。1回目は19歳のときに初めての海外体験で行ったイスラエル旅行、2回目は23歳のときにたまたま入社したガイアックスという会社での初めての営業体験でした。
 
自分は高校入学のときから、何に対しても意欲が持てず、悪友とだらだらと街を徘徊したりゲーム三昧の日々を送ったりと、どうしようもない時期を数年間すごしていました。そのままなんとか大学には入れたものの、堕落した日々は改善されず、なんと大学1年生でいきなり留年してしまったのです。
 
そのときはさすがに反省したものの、かといって生活がそれほど変わることもなく2回目の1年生の夏を迎えていました。そのとき、たまたま叔母がイスラエル人と結婚してイスラエルに移住しており、そろそろ1回遊びに来なさいと打診がありました。
 
海外に行ったこともないのにいきなりイスラエルか、、とだいぶ渋ったものの、留年した負い目もあるし、親からも行ってこいと半ば強引に進められたので、渋々行くことにしたのでした。
 
そして1ヶ月間、いろいろ大変な思いをしながらも、1人でイスラエルの各地を回ってみたのです。
 
3つの異なる宗教が共存している聖地エルサレムであったり、周囲が敵国だらけの国境近辺では、自分と同世代の若者が銃を装備して厳戒態勢を敷いていたり、途中で叔母に紹介してもらった現地の大学生から、不足する水資源を確保するためのバイオ研究の施設を見せてもらったりと、日本で暮らしていてはまったく触れることのなかった、世界の現実をリアルに感じることができたのです。
 
また、どこに行くにも人に聞かないとわからない、バスだろうがタクシーだろうが、自分の希望を片言の英語でしっかり主張しないと動いてくれない、という現実に、日本でのほほんで過ごしていた19歳の自分が直面したのです。そこで覚悟を決めて開き直った結果、相手が誰であろうが片言だろうが堂々と主張する、という図太さと自信がそのときに身につきました。
 

自分の遺伝子がオンになった瞬間


その体験を通じ、不思議なことに、それまでの閉塞感しかなかった人生がぱっと明るくなり、大きく視界がひらけたのです。世界はこんなにも広く、日本とはまったく異なる現実がそこにあり、また同時に大きな可能性に満ちているのだと実感できたのです。そして自分もその広い世界で挑戦することができるかもしれないと。
 
日本だけで過ごしていると、日本特有の同調圧力により、いかに人と同じかが問われ、本当に自分らしい生き方を無意識にあきらめていたのかもしれません。しかしイスラエルに行き、世界の多様性に触れることで自分の遺伝子がオンになり、本気で自分の生き方を考えられるようになったかもしれません。
 
そしてイスラエルから帰国するときには、自分は事業家として生きよう、と決意していたのです。それからは悪友に誘われても一切断るようになり、自分で事業を立ち上げるためだけにほぼすべての時間を投下するようになりました。
 
もう1つのガイアックスの営業体験による遺伝子オンの経験については、長くなってしまったので、また別の機会で書きたいと思います笑。
  

遺伝子がオンになる人材


そして、ピクスタを創業して13年半の間にも、遺伝子がオンになったであろうピクスタメンバーが実は何人もいるのではないかと思っています。あるとき急に行動や姿勢が大きく変化し、それまでの何倍ものスピードで成長する人材が定期的に出てくるのです。
 
そういった人材の共通点は何かと考えてみると、
 
  • それまでに、マグマのように溜まった思いや鬱屈した何かを持っていること
  • そこにストレッチした挑戦の機会が生まれ、そのストレスに負けずにやりきったこと
  • 自身の使命感、生き方が、そのミッションにマッチしていること
 
があったように思います。
 
1回遺伝子がオンになった人材は、それが長期間持続し、数年たつと見違えるような成長を遂げています。
 
そして全員が全員そうなれるかはわかりませんが、経営者の役割として、1人でも多くのメンバーにそのようなきっかけを提供したいと思っています。
 
みなさんも遺伝子がオンになったような経験はありますか?

クリエイター向けの祭典「PIXTA DAY」の開催と大事な原点の話

先日、PIXTA&fotowaに登録いただいているクリエイター向けのイベント「PIXTA DAY」を開催しました。

去年までは「PIXTAクリエイターAWARD」という名称で毎年実施してきましたが、今年は大幅に内容をアップデートしました。
 
今回は表彰だけではなく、クリエイター自身によるセミナーを実施して、相互に学び合いの機会をつくったり、表彰もトップランキングに加え、新人賞やユニークコンテンツ賞など、いろいろな形でクリエイターさんを表彰し、日頃の感謝を伝えることができました。
 
参加人数も過去最高の100人超えと、過去最高に充実したイベントになりました!
 
総責任者の川西くん大変おつかれさまでした!
 
※詳細はこちらの記事から見れます
 
今年もそうでしたが、PIXTA&fotowaを支えていただいているクリエイターのみなさんと1年に1回接することで、僕らの原点を改めて思い返すことができます。
 
僕らが実現したいことは、単に写真を売ったり撮影を仲介することではなく、「才能をつなぎ、世界をポジティブにする」という理念であらわしているとおり、埋もれた才能に光をあて、様々な感動を生み出し、ポジティブな世界に変えていくことです。
 
※理念に込めた思いは下記ブログをぜひご覧ください
 
今回のイベントで、多様な表彰を行ったことで、遠くからもたくさんのクリエイターさんにお越しいただき、僕らは実際にたくさんの才能をつなげていること、そしてまだほんの一部ですが、ポジティブな世界を少しずつでも生み出せていることが実感でき、本当にうれしかったです。
 
これからも様々な才能を世界につなげるべく、メンバーと一緒にがんばっていきたいと思います。

今年もありがとうございました2018

大晦日にこんばんは。今年で後厄が終わり、徐々に上向きつつある古俣ですw。

今年は会社としてもスタートからいろいろ大変なこともありましたが、後半にかけていろいろなことが改善し、良い状態で年末を迎えることができました。

今年特にうれしかったこととしては、リーダー層が厚く充実してきたこと、また今年入社してくれたメンバーがとても素晴らしいメンバーだったことです。

今年からリーダー会議という、リーダーポジションのメンバー全員の定期ミーティングを始めました。海外のリーダーも含めると20数人、また年齢層も20代から50代である役員の内田まで幅広く揃っている陣容です(内田さんすませんw)。

ほとんどのリーダー陣は、上場前に参加してくれたメンバーであり、ピクスタで3年以上のキャリアを持ち、この3〜4年間で業績・組織ともに3倍弱の成長を担ってきてくれました。会社の成長とともに、個人としてもキャリアを積み、成果を出し、共に成長してきてくれたことがとてもうれしいです。

正直、上場企業といえど、この規模でこれだけのリーダー陣が揃っている会社はなかなかないのではないかと自画自賛していますw。

また今年入社してくれた20人弱のメンバーは、リーダー陣に負けないぐらい優秀で意欲があり、まさにこれからの飛躍を担ってくれる人材だと期待してます。

事業・組織・業績ともに今年は上向いてきており(株価もですがw)、来年以降の飛躍に向けて準備は整いました。

今年で僕も厄年が終わるし(2度目)、来年からどこまで飛べるか、本当に楽しみです。

ピクスタグループメンバーのみなさん、今年も全力を尽くしてくれて本当におつかれさまでした。また年明けから、僕らが生み出す価値を広げていくべくがんばりましょう。

今年もありがとうございました。
みなさま良いお年を!

21世紀型組織運営とは

こんにちは、気づいたらこれが今年1発目のブログということに戦慄を覚えている古俣です。

最近働き方改革が言われるようになりましたが、関連して感じていることを書いてみたいと思います。

ここ数年、当社にも大企業や老舗企業からの転職メンバーが増えてきました。
そして彼らの話を聞いていると、それらの企業との、組織運営・文化の断絶に驚くことがあります。

まず使っているツールの違いに驚きます。古い企業はいまだに社内コミュニケーションに電話・FAX・メモ・メール・ワード・エクセルが主体になっているようです。とにかく紙が多いのも特徴で、パワポでつくった資料を会議でわざわざ紙に打ち出し、手書きでメモを入れていくという謎な風習もあるとかないとか。


クラウドツールによる情報共有の効用

対して僕らはChatwork・Slack・G Suite・Google Docs・Backlog・Trelloなどのクラウドベースのツールを、ほぼすべてのコミュニケーションで使います。なんなら社内で流れる情報の9割以上はチャット上で行われます。

よくオフィスを見学いただく方には「静かですね〜」と言われますが、社内コミュニケーションのほとんどはオンラインで活発におこなわれています。紙でのやり取りは皆無といっていいかもしれません。
(当然会議もありますが、基本クラウドの議事録がチャットで流れます)

これらのツールが違うことで、効用としての大きな違いが「情報共有レベルの圧倒的な差」にあります。電話やメール、エクセルなどは、基本的には1対1、または閉じられた関係性の中で使用されます。

対してクラウドベースのツールは、情報を発した瞬間に共有されるので、全員、または多くのメンバーにほとんどの情報が共有されるようになります。そうすると、いちいち説明の場を設けずとも、たいていのことは把握できるようになり、とても効率的でスピーディにものごとが進みます。ついでに「俺は聞いてない」というありがちな弊害もなくなります笑。

またクラウドベースでのコミュニケーションが当たり前になると、他人に時間を合わせる必要性が劇的に減ってくるので、無駄な朝礼、必要のない会議、遅刻するときの意味のない電話をなくせます。いまだに通勤電車で小声で遅刻を謝罪している人を見ると胸が痛くなります。

本来であれば、クラウド上に必要な情報を共有さえしていけば、全員が個人のペースで行動しながら、同時にチームで共創して圧倒的スピード感でプロジェクトを進めることができます。

コミュニケーションの工程に紙や電話が挟まると、それらを社内共有するのに一手間も二手間もかけねばならず、僕らの組織では一気に目詰まりを起こしそうです。
(ちなみに補足すると、当社も外部とのやり取りは当然電話やメールを活用します)


自然にリモートワーク化

このような環境だとストレスは劇的に軽減され、効率性とスピード感が飛躍的に高まります。そしてさらなる効用として、リモートワークが自然に可能になることです。当社も一定以上の等級で、育児中のメンバーには自身の裁量でリモートワークが認められています。クラウドツールのおかげで、会社なのか家なのかどちらにいるかわからないぐらい、自然に業務をこなせています。そのかいもあってか、出産・育児が原因で退職したメンバーはまだ1人もいません。

また当社は海外拠点が5つありますが、クラウドツール+Web会議システムにより海外とのコミュニケーションも自然に可能となっています。


隣の同僚にもチャットすべきか問題

よくメディアで古い体質の企業の典型例として紹介されるのが「隣に座っている同僚にもメールやチャットで連絡するのはけしからん」という経営者の発言です笑。まさにこの状況は、当社ではけしからんどころか当たり前に必要なことです。これは単に人と話すことがおっくうだからしているのではなく、情報共有上そちらのほうが圧倒的に望ましいからです。対面コミュニケーションを強制されていたらリモートワークはなかなか推進できません。

一方、もちろん対面で行うべきコミュニケーションもあります。感情面の配慮が必要だったり、ややこしい話や重めの依頼をする際などです。

ちなみに僕は仕事で電話を使うことは月に1回あるかどうかです。メールも週2〜3回ぐらい、しかも外部とのやり取りに使うぐらいです。クラウドツールをコミュニケーションのベースにすることで、スマホだけでも7割以上の業務をこなせるようになり、どこにいても、極端な話ベッドで寝ながらでも仕事ができる状態を実現できているのです。
(一方そうなると、オンオフの区切りが難しくなるので、その線引きの工夫も必要ですが)

クラウドツールの利用を徹底するだけで、働き方改革は実現できるのです。つまるところ、僕のような電話が嫌いな内向的経営者の時代がとうとう来たということですw。


21世紀型組織は真に顧客本位の組織

さらに、旧来型組織との、より本質的な違いがあります。それは真に顧客本位の組織かどうか、という点です。

高度成長期からバブルまでの右肩上がりの時代には、誰かが考えた商品やサービスを大量生産し、営業や店舗を拡大して大量販売していけば成長できる状況でした。しかし90年代からモノが飽和し、Webが普及してあらゆる情報が得やすくなり、好みや嗜好が多様化するようになると、大量生産・大量販売、ましてや押し売り型営業も通用しなくなりました。

さらにWebによりいろいろなことが可視化され、真に顧客のためになる商品・サービスなのかが如実に伝わるようになりました。そのため、誰かが考えたものを上意下達するだけでは、顧客から自分たちの都合を見透かされることになります。逆に顧客に寄り添い、顧客視点からからスタートした商品づくり、サービスづくりを進められる組織づくりをしていかなければなりません。

すべては顧客のためになされる組織にしていかねば、顧客の支持を受けられず成長することができなくなるのです。


誰が言うかではなく何を言うか

そのためには入社年次や立場に関係なく、顧客のためにフラットに意見を述べられる組織文化でなければなりません。そのためには、社長の意見もアルバイトの意見も同等に扱われる環境の構築と意識の醸成が不可欠なのです。そこには単に上から下に情報を伝達する役割の人も必要ありませんし、誰かにお伺いを立てながら進める必要もないのです。

その意味で当社のような組織は「メンバーの自律を促していく組織」でもあると思います。裁量の広いフラットな環境で、顧客に寄り添い、顧客のために自ら大小の意思決定をし、適切な情報共有をしながら周囲を巻き込んで業務を進めていく。このような環境は、年齢・経験関係なく、自律して自走していける人材には最高の環境だし、逆に自らの成長や決断を周囲に依存する性質の人にはつらい環境だと思います。

そして、これから日本特有の新卒一括採用も急速に変化していくことは間違いなく、学生でも自律した考え方ができる人材は、ある意味即戦力として活躍していける時代になっていくと思います。

上記のような、特に僕らのようなインターネット企業では当たり前のことが、日本全体の400万社から見るとほんの一握りなのが現実です。まだまだ企業全体の大多数を占める、いつまでも権威をもって旧来の手法でマネジメントするような、古い価値観の組織に居続けることのリスクがどんどん大きくなっていくともいえます。

そして僕らも新世代の企業に同じことを言われないよう、さらに進化していきたいと思います笑。

今年もありがとうございました2017

こんにちは、今年は本厄だった古俣ですw。だからというわけではありませんが、今年はいいこともありましたが、例年になく大変なこともありました。

昨年から、次の飛躍に向けて、海外展開・新規事業を加速して戦線拡大し、今年は業績的には一旦しゃがみ込む年になりました。

そのため株価も4月に上場後最安値をつけ、こないだ日経新聞から「再起をかけるIPO銘柄」という取材依頼が来たりとか・・w。ある程度は覚悟していたものの、実際にそうなると精神的にはなかなかきついものがありました。

しかしその状況になったからこそ、自分自身IRに本格的に取り組み始めたという副産物もありました。特に去年まで担当だった経営企画部長の金氏が、韓国進出に伴い現地法人の代表になったため、僕と役員の恩田でIRを担当することになったのでした。

実際IRについて勉強したり、他社を研究したり情報交換させてもらったりする中での大きな気付きとしては、資本市場に対し、伝えたいこと、伝えるべきことの半分も伝えられていない、ということでした。

僕らは10年以上かけて、事業における本質的な競争力、優位性を築き、それが大きな参入障壁になっているわけですが、他のトップシェア企業と同様に、なかなかそれが表からは目に見えないわけです。ポーターの競争戦略を読むとよくわかりますが、強い事業を構成する競争優位性は1つではなく、いくつかの要素が相互に絡み合い、結果的に1つの美しいストーリーのようにつながっているのです。

しかしそれを投資家の方々に理解してもらう作業が、本当に難しいことだと実感しました。今年1年は自分自身IRを勉強しながら、資料と説明をブラッシュアップし、徐々に理解をしていただける投資家の方もあらわれてくれました。しかし実際まだ半分も伝えられていない、というところが正直なところです。

本来はIRと資本政策含め、上場前に万端にしておくことが理想だと思いますが、当社もそうでしたが上場前は膨大な作業と業績管理で手一杯で、そこまでの余裕がないことが多いと思います。結果としてそのあたりの詰めが甘いまま上場してしまったことは大きな反省点でした。。

しかしそんな中でも、新たに開始した新規事業・海外展開が、どれも想定以上または想定通りに進んでおり、これから本当に楽しみな状況です。

また事業範囲が拡大する中で、次世代メンバーが確実に育ってきていることもうれしいことです。特に20代メンバーの中から何人ものリーダーが生まれつつあり、事業とともに組織も進化しつつあると実感しています。これからも若手に機会をどんどん提供していきたいし、そのためにも事業成長にこだわってやっていきたいと思います。

そして今年は半年以上かけて、会社の理念・ビジョン・ピクスタウェイをフルリニューアルしました。創業の想いは変わらないものの、もっとダイレクトに伝わる、これからの会社のステージにふさわしいものにしたいという意志のもと、大胆に変更しました。
(変更したものは評判がよく安心しています)

ということで、総じて今年もいろいろなことがありましたが、やはり最も大事なことは、僕らの事業を通じて、ユーザーに価値をきちんと届けられているのか、価値を高められているのか、結果として理念を実現できているのか、というところです。そこに関しては一切ブレずに、国内外のピクスタメンバー一丸となって推進できているので、先行きは何も心配しないでいられます。

やはり事業は、短期悲観・長期楽観でやっていくことが望ましいと改めて実感できた1年でした。

それでは今年も本当にありがとうございました。
良いお年をお迎えください!