今年10月のリーダー会議のときの話。
※リーダー会議=20人以上各部署のリーダーが集まる月2回の会議
今後の納会をどうしていくべきか、という議題を僕から出した。
・・・経緯を説明すると、我が社では10年以上、納会というものを開催してきた。
最初は10人に満たない頃、毎月末に、メンバー全員でオフィスで料理をして懇親会をすることから始まった。人数が増えてきてからは、四半期ごとにケータリングを取り、部署ごとに企画をしたりして続けてきた。
しかし、ここ1〜2年でいくつかの問題が起こってきた。
これまで納会は夜に開催してきたが、育児中で参加できないメンバーが増えてきたこと、幹部が海外などに出張が増えて不参加率が高くなってきたこと、部署の企画負担が大きくなり、またマンネリ化してきたことなど。
そこでリーダー会議では、納会というスタイルをいったん終了し、半年または年1で社員総会のような形に変えるほうがいいのでは、という提案をした。総会のコンテンツとしては、半期または1年の振り返り、MVPなどの表彰、また出し物などをやれば盛り上がるのではないかなど、割とドヤ顔で説明していたと思う。
すると「出し物」というキーワードに反応したエンジニアリーダーの1人であるゴトウが噛み付いてきた。
「出し物ってまさか新人とかにさせるやつですか?それって割と最悪じゃないですか?」
僕としては新人にさせるつもりは毛頭なかったので、つい反射的にこう答えた。
「いや新人に強制させる会社とかってダサいじゃん。役員が率先してやるんだよ役員が!」
一瞬沈黙が流れたあと、ゴトウが再度こう言った。
「それは本当にやめてくださいww。みんな引きますよw」
その議論はそこでいったん収束した。
しかしその後、自分の中で「役員による出し物」がずっと引っかかり続けていた。
ちょうど年末だし、役員総出で体を張った出し物もありではないか、と。
今年の9月で上場してから丸4年がたっていた。株価はイマイチさえないが、既存事業は堅調、新規事業はいい形で軌道に乗りつつあり、2020年から次のステージに行ける確信が持てるようになってきた。
ここで役員が体を張り、今までにないチャレンジを見せることができれば、来年に向けた良い刺激になるのではないか。また社内に向けて、今いるコンフォートゾーンから脱却すべき、というメッセージにもなるだろう。
というような思考を巡らせていたときに、突然体に電気が走ったようにとあるイメージが降りてきた。昭和時代に一世を風靡したの5人組のグループ・サウンズ◯◯◯の歌唱シーンだ。
その瞬間、これだ、これしかない、と直感した。
伝説のグループ◯◯◯に扮した役員のエンドウとオンダを見てみたい。
爆笑されるか引かれるのかを確かめてみたい。
そんな思いが止められなくなった。
それから数日間、出し物のイメージを脳内でシミュレーションしていった。
そして11月も押し迫った経営会議で、その提案をした。これまでピクスタ役員は、自分以外にコスプレなどしたことはない。拒絶反応も覚悟していた。
「今年の忘年会は自分と総務チームでプロデュースしたい。そこで役員全員で◯◯◯として登場したいんです」
一瞬場が凍りついた。
数秒後、役員のエンドウが、引きつった顔で絞り出すようにこう言った。
「個人的には嫌です」
ん?個人的には?つまり公的にはOKなのか?
そこで一気にたたみかけた。
「今年は粛々と既存事業を進めてきたから、社内の雰囲気的に若干の停滞感もあるかもしれません。そこで役員による、これまでにない挑戦を見せることで、来年に向けたよいメッセージになるのではないでしょうか。
何より絶対にウケる自信があります。だってエンドウさんとオンダさんの◯◯◯ですよ!」
いつになく力説していると、役員のウチダが言った。
「古俣さんがワンマンなところを見たの初めてですねww」
こうして、役員の中でここまできたらやり切るしかないという空気ができあがった。
その後総務チームのケイノ&オクヤマ両氏と準備を進めながら、やる気と不安が交錯する日々をすごした。
(社風的にどういう反応が出てくるのかまったく読めない)
(完全にすべったらどうしよう)
(エンジニアがまだ焼きそばを焼いたほうがマシだと思い、職場に絶望するかもしれない)
(これで役員を誰も目指さなくなったらヤバいな)
だんだん不安のほうが大きくなり、マイルドな企画へと流れていった。
・がんばって歌うのはキツイから口パクにしよう
・歌と同時に今年の振り返りプレゼンを総務チームにやってもらおう
・プレゼンの合間にサビだけ何度か歌うだけにしよう(実際は口パク)
こうしてどんどん半端な企画になってしまった。
そして忘年会当日。◯◯◯改め、ピック&スターとして登場した写真はこちら。
※一番右は巻き添えで出演した人事部長の秋岡氏
総務チームががんばって衣装などを揃えてくれたため、ビジュアル的にはかなりの完成度になったと思う。
しかしやはり出し物としての半端感はぬぐえずに終わった。
(総務のケイノ氏の振り返りプレゼンは90ページ以上の大作で完璧だった…)
忘年会が終わってから何人かのメンバーに感想を聞いてみた。
「インパクトはあったけど、何がしたいのかイマイチわからなかったですね」
「歌うのかと思ったら歌わないんですね…」
「総務のケイノちゃんの振り返りプレゼンはとてもよかったです♡」
結論としては、爆笑されるでも引かれるでもなく、「おぉ〜、で?」という微妙な状況で終わってしまったのだった。。
悔しいので、またリベンジがあるのか!?
ということで、やたら長くなってしまいましたが、上場企業の役員というものの日常を少しでもお伝えできたら幸いです。
それでは今年も本当にありがとうございました。
みなさまよいお年を!
注:管理担当役員のオンダ
注2:ゲッ◯ではない