上場して変わったこと

こんにちは。台湾に2日間いたら口のまわりに吹き出物が2つできあがった古俣です。
 
9月に東証マザーズに上場してから3ヶ月がたちました。上場後に「何か変わりましたか?」とよく聞かれるので、変わったことをまとめてみたいと思います。
 
中身は本質的に変わらない
いきなりですが、当然ながら僕および会社の中身は基本変わらないです。これまでどおりの目標に向かってやるべきことをやり切る、それをひたすら繰り返すということには何も変わりはない。ということを再認識しました。
 
営業のインバウンドと取材依頼が急増した
ここは上場における効果を期待していた1つなので、目論見どおりかなり増えてくれました。体感値としてはそれまでの5割増ぐらいでしょうか。特にピクスタの事業はオンラインベースですが法人向けサービスなので、上場による信頼性、知名度の向上が顧客獲得の大きな助けとなってくれています(ただし比例して時間の余裕がどんどんなくなっていきます)。
 
 人材採用についてはまだ判断つかず
上場すると、応募してくる人材の質が良くも悪くも変わるとよく聞きますが、あまり変わっていないような気がします。むしろ今年を通じて参加してくれたメンバーがとても優秀なので、今後の活躍が楽しみです。
 
 チヤホヤしてくれる人が増える
思っていたよりも大きかったのがこれです。やはり上場というマイルストーンがわかりやすいためか、いろいろな人がチヤホヤしてくれます。ここはむしろ気をつけねばならず、生涯イチ修行僧としての自覚を再認識する必要があります。
 
モチベーションがさらに増した 
「株価」「時価総額」という数値化された指標で自社の客観的評価(様々な要因はあれど)を得ることができ、さらに他社と比較できることが自分にとって大きな刺激になることが発見でした。
 
もちろん現在の水準にはまったく満足していないため、結果の指標ではあるものの株価、時価総額を上げていくという新たなモチベーションの源泉を得られたことは大きな収穫だったと思います。ただ株価に振り回されるのは本末転倒なので、あくまでも業績の向上や成長を果たしたあとに結果としてついてくるものだ、という認識を持つことが大事ですね。
 
 
<番外編>
 スーツを着ることに慣れる
ピクスタを創業後10年間、結婚式以外にスーツを着ることはなかったので、上場が見えてきたころ関係各所に「スーツを着なくても上場前後は乗り切れるのでしょうか?」と聞いてみたところ「あり得ないだろぅ(゚Д゚)ゴルァ」というありがたいお言葉をいただきました。
 
そこで慌ててスーツセットを2着、ワイシャツ・ビジネス用靴下を5着、革靴を2足大人買いしました。最初は着られている感満載で社内でもすれ違うたびにクスクス笑われていたものの、今ではだいぶ着こなしに慣れて「なんか社長ぽくなりましたね」と褒められているのかDisられているのかよくわからない評価を受けています。 
 
美容院を変えてDisられる 
上場まではカット3500円の美容院に行っていたが、おでこの面積が増してきた気がするので、それに似合う髪型にイメチェンしたいと思い、カット6500円の美容院に変えてみました。しかし当然のように会社のメンバーにはまったく気づかれず、自ら得意気に話してみると「6500円の美容院ですかぁ!上場して変わっちゃいましたね・・」とDisられた上に髪型にはまったく言及されない結果になりましたとさ。。
 
ドMゴゴロを満たしてくれる 
会社のトイレのハンドソープを詰め替えたり、社内の忘年会でお酌をしたり料理を取り分けたりと、これまでと同じ行動をしながら「そういえば俺、上場企業の社長なんだよな」と密かに思い出すことでドM気質が満たされるという高度な技を身につけました。
 
ということでいろいろ変化もありますので、上場というものはオススメですYO!
 

ピクスタ株式会社10周年!

みなさまこんにちは。8ヶ月ぶりのブログ更新で小刻みに手が震えてうまくタイピングが進まない古俣です。

・・・にもかかわらずブログを更新する理由。それは今日が会社を設立して10周年だからです。

10年前に1人でガイアックスのオフィスを間借りしてスタートしたこの会社も、今では50人の素晴らしい仲間と数十万人のクリエイター・顧客の皆様、素晴らしい株主に支えられ、デジタル素材マーケットプレイスとして国内No1プレイヤーとなることができました。

ここまでこれたのは、最初に抱いた小さな想いと、そこに共感していただき少しずつ集まってくれた方々と、時代の追い風という運にも恵まれたおかげだと思っております。

特にPIXTAをスタートした直後から作品を投稿いただいたクリエイターの皆様の熱量は、その後も衰えるどころか質も量も日に日に高まる一方でした。

事業の立ち上がりの遅れに悩んだときも、資金繰りでどうにもならない状況になったときも、コスプレの演技でダメ出しされまくったときも、いつもクリエイターの皆様の投稿作品の素晴らしさに励まされてきました。

そのおかげでどんなときでも、この事業は絶対に立ち上がる、世の中に価値を生み出せると信じ続けられたことが、今の状況をつくることができた最も大きな要因であることは間違いありません。

会社としては10年という節目を一旦迎えましたが、僕らが目指すフラットな世界はまだまだはるか先にあるので、さらに気を引き締めてがんばっていきたいと思っております。これからもご支援のほどよろしくお願い申し上げます。

いつも支えていただいているたくさんの皆様に感謝を込めて。

ピクスタ株式会社 古俣 大介

今年もありがとうございました2014

今年も無事に終わろうとしていますね。

いつもより年末感が少ないのは、ソーシャル上でさらに多くの人とつながり、世間との隔絶感が減っているからでしょうかw。

今年は会社として9周年、サービスとしてPIXTA8周年を迎え、老舗ネット企業として認識されることも多くなってきました。

しかしその分僕らの存在は確実に浸透しており、実際に利用いただいているという方とお会いすることが本当に多くなってきていてありがたい限りです。

今年は業績としていくつかの節目があり、また4月にImasiaという定額制素材サイトをリリースし累計1000ユーザーの方にご利用いただけました。素材点数は国内プレイヤーとしてダントツである1000万点達成も目前となっています。

海外展開においても現状は試行錯誤の連続ですが、海外チームの徒手空拳の奮闘により、そう遠くないうちにブレイクする胎動を感じています。

個人としても尊敬する起業家や様々な業界の方と知り合うことができて充実した1年でした。今年の後半から入部したG1囲碁部では25年ぶりに本気で囲碁を打つことができ、さらに年内最後の会では部長であるDeNA守安社長から副部長の任命もいただき、来年はネット業界に囲碁を布教していこうと思いますw。

反省点としては、英語力の向上がほとんどできなかったこと、また読書時間があまり確保できなかったことです。来年は初めて僕の直属部署がなくなり、海外に行ける機会が割と作れそうなので、さらに多くの知見を得て経営者としての器をもっと大きくしていきたいと思っています。

ということで今年もいろいろありましたが、会社としてサービスとして引き続き順調に成長することができ、来年はさらに楽しみな展開になりそうです。

これもいつも支えていただいているクリエイターの皆様、顧客の皆様、ピクスタメンバー、株主の皆様、友人の皆様のおかげです。本当にありがとうございます。

引き続き「インターネットでフラットな世界をつくる」という企業理念を実現していくべくがんばっていきたいと思います。来年もよろしくお願いします!

歴史は繰り返す?スタートアップバブル崩壊に備えるために


みなさんこんにちは。
創業直後にライブドア・ショックリーマン・ショックを経験している古俣です。

最近ではIPO市場が活況を呈し、またスタートアップへの投資も数年前にはあり得なかった金額が相次いでおり、スタートアップにとっては非常に良い環境ですね。

しかし僕がピクスタを創業した2005年も同じような状況であり、創業後1年間は順調に資金調達できていましたが、その後ライブドア・ショックサブプライムローン問題、リーマン・ショックが起こってあっという間に市況が悪化していきました。

その状況から自力でキャッシュフローがプラスになるまでの2年間は毎日資金繰りに追われて最もしんどい時期でした。その頃は2000年のネットバブル崩壊から7~8年後の出来事であり、さらにあれから7年がたった今、歴史は繰り返す可能性は低くなく、備えをしておくに越したことはないと思います。

ということで、当時を振り返って備えとしてやってよかったこと、やっておけばよかったことをまとめてみます。スタートアップのみなさんの参考になれば幸いです。

資金調達を早めておく&余裕を持った金額を

今は資金調達、とくにエクイティで調達する環境が非常に良いので、この状況が続くうちに調達しきることが大事です。市況が悪化した途端に方針が変わるVCもあるし、バリエーション水準もあっという間に変わってしまいます。

また現状のバーンレート(月間キャッシュアウト金額)のままで1年は持つという金額、できれば1年半以上持つ金額を調達できると理想的だと思います。

デット(借入)も選択肢に入れる

エクイティのみならずデットでも調達しやすい状況なので、増資と組み合わせると資金的にも余裕ができるし、既存株主の持ち分も毀損することなく備えることができます。また好況時に借入で実績をつくっておけば、市況が悪化しても再度借りやすいという側面もあります。

キャッシュフロー構造を良くしておく

資金繰りの基本は入りを早くし出を遅くすることという話があります。つまりは入金サイト、支払いサイトの間隔のことですね。入金は可能な限り早める方法を模索し、支払いは可能な限り遅くしていくという意識が大事です。

入金を早める方法としては、決済業者を入金サイトが早いものに変更する、請求書の支払日を前倒しで記載する(別途告知が必要な場合も)、取引先に支払いサイトを早めてもらうようにお願いしてみる、等がありますね。支払いを遅くするのもまた同じような方法です。
(この点PIXTAのようなプラットフォーム事業は、入金・支払いサイクルを自分でコントロールしやすいという利点があります)

バーンレート構造に気をつける

バーンレート(月間キャッシュアウト金額)をいたずらに増やさない、できれば抑え気味にしておくという意識を持つことが、いつ市況が悪化するかわからない状況だと望ましいです。特に一旦増やすと減らすことが難しい人件費やオフィス代は慎重に考えるべきです。

戦略・施策の優先順位を考え、成長するにはここだけはマストという部分だけには投資は怠らず、それ以外は当面は手をかけない、というトレードオフを積極的に行っていくことも経営判断として重要だと思います。

逆にいつでも投資をストップできる広告費などのコストは、実際に状況が悪化しない限りは続けても問題ないでしょう。

希望的観測はできるだけ排除する

これは状況に限らず普遍的に重要かもしれませんが、経営的には常に最悪の事態を想定しながら打ち手を重ねていく、という意識を持つべきですね。

「このまま1年間ファイナンスができなかったら」「売上が計画通り伸びなかったら」という仮定と対策を常に頭に置きながら日々過ごしているのといないのとでは、いざ市況が悪化したときに取れる選択肢がけっこう違ってくると思います。

スタートアップを軌道に乗せるのは、アクセルを全力で踏みながら細く曲がった道を走り抜けるようなものですが、壁にぶつかって車が大破したら元も子もありません。

普段から最悪の事態を想定すること、特に今のような好況が行き過ぎているときほど、真逆に振れやすいと思って備えておくことをオススメします。

創業9周年!

若干日が過ぎてしまいましたが、8月25日でピクスタを設立して9年がたちました。

毎年なぜかこの日はあわただしく、当日になるとすっかり設立記念日ということを忘れており、ただ毎年お祝いをくれるありがたい方がいて、それを見て思い出してあわててこうしてブログを書く、ということが毎年繰り返されています。

ベンチャーとして9年というのは相当な年月だと思うし、もっともっとやれるはず、という思いもあります。とはいえ事業としてはそれなりの規模になってきているし、「インターネットでフラットな世界をつくる」という理念が少しずつ形になってきている現状は素直にうれしいことです。

9年もやっていると本当にいろいろなことがあって、素晴らしいメンバーとの出会いと別れがあったり、資金が尽きかけて(むしろ尽いたw)半年ぐらいは眠りが浅い状態が続いたり、考えても考えても答えが出ないような決断を夜中の3時に下して吐きそうになりながらメールを書いたり、ラーメン二郎に週1で1年間通っていたら体重が4キロ増えて健康診断でDがつくようになり、その後二郎断ちをしたら体重が3.5キロ落ちて健康診断もほぼAに戻ったりなど、それぞれの出来事が経営者としての僕と、会社のステージを徐々に上げていってくれたのだと今は思います。

いずれにしても9年前の創業時からの想いは一貫していて、フラットに誰もが才能を活かせる世界をつくることを実現すべく、愚直にサービスを磨きこんできました。そしてこれからはその基盤をさらに横展開していくことと、海外にもその世界を広げていくという第2ステージに入っています。

「インターネットでフラットな世界をつくる」という創業の理念を元に、まずは「アジアNo1のクリエイティブプラットフォームとなる」ビジョンを実現すべくさらにがんばっていきたいと思います。

最後にいつも支えてもらっているクリエイター、顧客の皆様、ピクスタメンバーのみなさん、株主の皆様、応援いただいている皆様、本当にありがとうございます。これからもぜひ一緒にフラットな世界をつくっていければと思います。

2014年8月25日

ピクスタ代表取締役 古俣 大介

ピクスタインターン制度


今朝の日経産業新聞にピクスタのインターン受け入れの記事を載せてもらったので、(我が社の敏腕広報のプレッシャーもあり)具体的にどういう観点でどのように受け入れているのかを紹介したいと思います。

ちなみにピクスタでインターンを受け入れ始めたのは1年半ぐらい前ですが、インターンからすでに2人ほど起業しており、なぜ学生が起業できるレベルまで成長できるのか、という質問もよくいただくのでそのあたりのヒントもあるかもしれません。


インターン受け入れの前提

まず学生時代にわざわざベンチャーインターンをやろうという学生は、そもそも意識レベルはMAXなわけです(就活のためのインターンを除く)。

なぜなら給料は出ないか、出ても数万ぐらいで金銭的には普通にアルバイトしたほうが全然割がいいし、大学の授業との両立も半端なく大変だし、遊んだり旅行したりする時間を削ってインターンに投下することになります。つまりは「自分が成長したい」という理由以外には何も得がないのですよね。

ただただ「成長したい」という理由でインターンをやろうという意識MAXな学生、おそらく学生の中でもTOP数%ぐらいに意識が高い学生は、経験がなかろうがなんだろうが短期間で成長しないわけがないと思うのです。

なのでうちでインターンを受け入れる際には、まずそういう前提の学生だという認識のもとに受け入れています。

※最近よくある「就活のためのインターン」という前提の学生だとミスマッチが起こる可能性が高いので、そういう学生さんにはちゃんとそのあたりを説明し、大体辞退してもらうことになります。


自分のゴールが見えているか

意識MAXに加えて大事なことは、何のために成長するのか、スキルや考え方を身につけた上でどういうゴールに結び付けたいのか、というつながりが学生に見えているかどうかも重要視しています。

それは起業したいでもいいし、こういう社会の課題を解決したいからスキルを身につけたいでもいいし、20代で経営幹部になりたい、でもいいと思います。なんでもいいのですが、できるだけ具体的なゴールイメージを持つことが、さらに短期間で成長できる要因になります。


最短でMAX成長できる環境を用意する

そのような意識MAXで自分のゴールがちゃんと見えている学生にどういう環境を与えるべきなのか。僕らが大事にしていることは「最短で任せきる環境をつくる」ということです。

インターンの当初は学生にも経験がまったくないので、1ヶ月ぐらいは必死でいろいろ覚える必要があります。最低限の言葉遣いやビジネスマナー、ビジネスコミュニケーションはどういうものなのか等々。それをできるだけ短期間でOJTでマスターしてもらうのですね。

できる学生は1~2週間でそのあたりを大体マスターするので、その後には何らかのプロジェクトを用意して、インターン生をいきなり責任者にして任せるということをやっています。

例えば過去にはピクスタにとって重要な特定ジャンルの大口顧客開拓や、関東各地の専門学校数十校にアプローチし、学生向けの授業を実施して学生ユーザーを集めるといった、社員でもそれなりに大変なレベルのプロジェクトを、入社して1ヶ月ぐらいのインターン生にいきなり全部いりで任せてきました。

当然学生にとってはプレッシャーも半端じゃないし、何から手を付けていいのかもわからない場合が多いです。しかし聞かれれば答えられる状況はちゃんとつくり、またマメにレビューするという定期確認体制を作っておくことは最低限必要ですが、あとはゴールと期限をきちんと共有しておくだけで、意識MAXの学生はたいていやりきれます。

そして大変な分達成感も感じるし、大きな自信をつけてもらうことができます。そういう環境で2~3ヶ月もすると、僕も驚くほど成長を果たして別人のようになってしまいます。それで半年ぐらいたつと、もう就活などしなくても自分で仕事をつくっていける、自分で道を切り開いていけるぐらいの自信がつき、起業していってしまう学生も数人いましたw。


インプットとアウトプットを同時並行で

あと大事なことは、プロジェクトを自分でやり切ったりとにかく動いて結果につなげていく、というアウトプットも重要ですが、同時にインプットの大事さも教えてあげるということです。

実際にプロジェクトに取り組み始めると、初めて社会との接点ができて、今までなんとなくニュースや新聞で見ていただけのビジネスの現場や会議、営業のやり取りなどを実体験として目の当たりにすることになります。

そういったビジネスというものを実際に体験すると同時に、企業や社会がどういう構造でできているのか、今はどういう時代の流れになっているのかということを座学で勉強することで、知識と体験が脳内でつながっていってさらに成長スパイラルを早めることができるのです。

ですのでインターン生にはインターン中に、時間がない中でもちゃんと読書やニュースアプリやソーシャルでの情報収集は欠かさないようにとアドバイスしています。


まとめ

ということで簡単に言うと、

「意識MAXで自分のゴールをきちんと持っている学生を受け入れて」
「フォロー体制とともに重要プロジェクトを任せきって」
「インプットとアウトプットを同時に行うように仕向ける」

ことを徹底すれば半年でMAX成長してくれます。あとはそのまま入社してくれれば経営者としてはいうことないですね(涙目)。

そしてそういう環境でMAX成長したい学生さんを今も熱烈募集中です!
ETIC
Wantedly

また過去ピクスタインターンを経て起業した(してしまった)2人の体験談はこちらから見れます。

体験談1
体験談2

インターネットでの起業にプログラミングスキルは必要か?


こんにちは。コードが書けないネットベンチャー経営者の古俣です。

WEBサービスとかで起業するのにプログラミングはできたほうがいいんでしょうか?」

という質問を、プログラミングができない人からよく受けます。

結論としては「そりゃできるにこしたことはないが、マストでもない」と回答しています。


自分の苦い経験

実は僕も、初めて起業しようと思って自分でECサイトをつくろうとした20歳すぎのときに、プログラミングを独学で勉強したことがあるんですよね。

当時はPerl全盛期で、ほとんどのWEBサービスPerlで書かれていた(らしい)ので、僕もいわゆるリャマ本と呼ばれる「初めてのPerl」という本を買って張り切って勉強し始めてみました。

しかしたしか5ページぐらい進んで「Hello World!!」という文字を画面上に表示させることができたぐらいで、それ以降のページがまったく理解できない、進まない、という状況になってしまいました。

結局そのときにはマスターすることを断念し、ECサイトのシステム部分はプログラミングができる大学の友人に組んでもらいました。

今思うとその本は「Perlが初めての人」向けの本で、「プログラミングが初めての人」向けではなかったのではないかと思うんですよね。当時はあまり情報もなく断念してしまいましたが、今ならTechAcademyドットインストールなどがあり、プログラミングをマスターするための敷居が低くなっていてうらやましいです。(といいつつ何をやるにも遅いということはないですが!)


プログラミングができない場合のデメリット

では僕のようにプログラミングができないのにPIXTAのようなWEBサービスで起業しようとすると何に苦労するのか?というと下記のようなことです。

・サービス立ち上げに必ずエンジニアが1人以上必要になるので、リリース前に採用の労力や人件費がかかる

・自分で気づいたり思いたった機能や改善案を自分ですぐにつくれない

といったところでしょうか。


しかし

実は上記のデメリットは初動段階のみで、遅かれ早かれあまり関係なくなります。

WEBサービスをリリースして改善しながら大きくしていくためには、自分1人ではとても無理なわけです。エンジニアやデザイナー、事業系の人材など、チームで取り組まなければなりません。しかも自社に合った優秀な人を採用していく必要があります。

結局経営者の業務として、早い段階で採用と資金調達(資金繰り)に注力しないといけない段階が来るのです。それらと同時に開発業務を自分でこなしていくのはほぼ無理ゲーとなります。

なので遅かれ早かれエンジニアを採用して開発業務を任せていく必要があるのです。

ちなみにビル・ゲイツザッカーバーグも、起業後しばらくしたら、自分で開発はしなくなったはずです。


大事なこと

ただしWEBサービス企業の経営者として大事なことは、自分でプログラミングができなくとも、最低限のシステム構造やざっくりとした開発手順などを知っておくことです。

例えばこのぐらいの機能をゼロベースでつくるためには、どんな構造でシステムを組む感じになるか、どの程度のリソースが必要なのかを超ざっくりでもいいので自分で想像し、それをエンジニアに確認する。その上で判断をするという姿勢が重要です。

そういう姿勢を経営者が持っていると、プログラミングができなくともエンジニアとはお互いに尊重し合いながら意思疎通がスムーズになり、開発もうまく進むようになります。

ですので「自分は開発できないから全部お任せ♪」という姿勢が最もまずく、自分の事業への想いと実際のプロダクトがどんどんかけ離れていってしまいます。わからない部分はあれども、できるだけ理解しようとするという意識を常に持っておくことが重要です。


さらにSQLを使えると超ベター

SQLとは
SQLは、リレーショナルデータベース管理システム (RDBMS) において、データの操作や定義を行うためのデータベース言語(問い合わせ言語)である。

といいつつ僕もSQLは使えませんが(汗)、SQLを覚えてサイトのデータベースから必要な情報を自由に引っ張ってこれるようになると、経営者としてはかなり重宝すると思います。

さすがにデータを直接いじれてしまうと、大事なデータを消したり上書きしてしまう危険性があるので辞めたほうがいいですが、閲覧のみの環境を用意ししてもらって、いろいろなデータを取り出せるようになるとかなり便利だと思います。

「あの数値はどうなってるっけ?」とちょっと気になったときに自分でさくっとデータを取れるようになるといろんな意思決定の手助けになることは間違いないと数年前から思っています。

・・・なので開発メンバーにそういう環境を用意してくれとずっと頼んでいるのですが、本当にSQLを覚えられるのかという疑いを持たれているらしく、まだスタートできていないという状況orz...


結論として

ということでプログラミングができると、最初のスタートがスムーズにきれるというメリットがあるのはたしかだが、サービスを大きくしていく上ではあまり関係ない、というのが僕の結論です。

ただし「WEBサービス」をつくる上での構造や構成、必要なリソースなどの目算を付けられる程度の知識はつけておくべきです。それはやる気があれば誰でも本やセミナーで勉強できるはずです。

とはいえこれからの時代、英語とプログラミングができるかどうかで人生の選択肢は数倍も広がることは間違いないので、10代でまだ時間がある若者は何が何でもマスターすることをオススメします。

僕も自分の息子にはぜひプログラミングを早いうちに触れてもらいたいと密かに思っています(嫁とのコンセンサスは取れてませんがw)。

いろいろ偉そうに言いましたが、実際プログラミングができたらもっといいことがたくさんあるかもしれなくてそれは僕にはわからないけど、それでもなんとかWEBサービスで起業はできるよ!という話をお送りしました。

現場からは以上です。