歴史は繰り返す?スタートアップバブル崩壊に備えるために


みなさんこんにちは。
創業直後にライブドア・ショックリーマン・ショックを経験している古俣です。

最近ではIPO市場が活況を呈し、またスタートアップへの投資も数年前にはあり得なかった金額が相次いでおり、スタートアップにとっては非常に良い環境ですね。

しかし僕がピクスタを創業した2005年も同じような状況であり、創業後1年間は順調に資金調達できていましたが、その後ライブドア・ショックサブプライムローン問題、リーマン・ショックが起こってあっという間に市況が悪化していきました。

その状況から自力でキャッシュフローがプラスになるまでの2年間は毎日資金繰りに追われて最もしんどい時期でした。その頃は2000年のネットバブル崩壊から7~8年後の出来事であり、さらにあれから7年がたった今、歴史は繰り返す可能性は低くなく、備えをしておくに越したことはないと思います。

ということで、当時を振り返って備えとしてやってよかったこと、やっておけばよかったことをまとめてみます。スタートアップのみなさんの参考になれば幸いです。

資金調達を早めておく&余裕を持った金額を

今は資金調達、とくにエクイティで調達する環境が非常に良いので、この状況が続くうちに調達しきることが大事です。市況が悪化した途端に方針が変わるVCもあるし、バリエーション水準もあっという間に変わってしまいます。

また現状のバーンレート(月間キャッシュアウト金額)のままで1年は持つという金額、できれば1年半以上持つ金額を調達できると理想的だと思います。

デット(借入)も選択肢に入れる

エクイティのみならずデットでも調達しやすい状況なので、増資と組み合わせると資金的にも余裕ができるし、既存株主の持ち分も毀損することなく備えることができます。また好況時に借入で実績をつくっておけば、市況が悪化しても再度借りやすいという側面もあります。

キャッシュフロー構造を良くしておく

資金繰りの基本は入りを早くし出を遅くすることという話があります。つまりは入金サイト、支払いサイトの間隔のことですね。入金は可能な限り早める方法を模索し、支払いは可能な限り遅くしていくという意識が大事です。

入金を早める方法としては、決済業者を入金サイトが早いものに変更する、請求書の支払日を前倒しで記載する(別途告知が必要な場合も)、取引先に支払いサイトを早めてもらうようにお願いしてみる、等がありますね。支払いを遅くするのもまた同じような方法です。
(この点PIXTAのようなプラットフォーム事業は、入金・支払いサイクルを自分でコントロールしやすいという利点があります)

バーンレート構造に気をつける

バーンレート(月間キャッシュアウト金額)をいたずらに増やさない、できれば抑え気味にしておくという意識を持つことが、いつ市況が悪化するかわからない状況だと望ましいです。特に一旦増やすと減らすことが難しい人件費やオフィス代は慎重に考えるべきです。

戦略・施策の優先順位を考え、成長するにはここだけはマストという部分だけには投資は怠らず、それ以外は当面は手をかけない、というトレードオフを積極的に行っていくことも経営判断として重要だと思います。

逆にいつでも投資をストップできる広告費などのコストは、実際に状況が悪化しない限りは続けても問題ないでしょう。

希望的観測はできるだけ排除する

これは状況に限らず普遍的に重要かもしれませんが、経営的には常に最悪の事態を想定しながら打ち手を重ねていく、という意識を持つべきですね。

「このまま1年間ファイナンスができなかったら」「売上が計画通り伸びなかったら」という仮定と対策を常に頭に置きながら日々過ごしているのといないのとでは、いざ市況が悪化したときに取れる選択肢がけっこう違ってくると思います。

スタートアップを軌道に乗せるのは、アクセルを全力で踏みながら細く曲がった道を走り抜けるようなものですが、壁にぶつかって車が大破したら元も子もありません。

普段から最悪の事態を想定すること、特に今のような好況が行き過ぎているときほど、真逆に振れやすいと思って備えておくことをオススメします。

創業9周年!

若干日が過ぎてしまいましたが、8月25日でピクスタを設立して9年がたちました。

毎年なぜかこの日はあわただしく、当日になるとすっかり設立記念日ということを忘れており、ただ毎年お祝いをくれるありがたい方がいて、それを見て思い出してあわててこうしてブログを書く、ということが毎年繰り返されています。

ベンチャーとして9年というのは相当な年月だと思うし、もっともっとやれるはず、という思いもあります。とはいえ事業としてはそれなりの規模になってきているし、「インターネットでフラットな世界をつくる」という理念が少しずつ形になってきている現状は素直にうれしいことです。

9年もやっていると本当にいろいろなことがあって、素晴らしいメンバーとの出会いと別れがあったり、資金が尽きかけて(むしろ尽いたw)半年ぐらいは眠りが浅い状態が続いたり、考えても考えても答えが出ないような決断を夜中の3時に下して吐きそうになりながらメールを書いたり、ラーメン二郎に週1で1年間通っていたら体重が4キロ増えて健康診断でDがつくようになり、その後二郎断ちをしたら体重が3.5キロ落ちて健康診断もほぼAに戻ったりなど、それぞれの出来事が経営者としての僕と、会社のステージを徐々に上げていってくれたのだと今は思います。

いずれにしても9年前の創業時からの想いは一貫していて、フラットに誰もが才能を活かせる世界をつくることを実現すべく、愚直にサービスを磨きこんできました。そしてこれからはその基盤をさらに横展開していくことと、海外にもその世界を広げていくという第2ステージに入っています。

「インターネットでフラットな世界をつくる」という創業の理念を元に、まずは「アジアNo1のクリエイティブプラットフォームとなる」ビジョンを実現すべくさらにがんばっていきたいと思います。

最後にいつも支えてもらっているクリエイター、顧客の皆様、ピクスタメンバーのみなさん、株主の皆様、応援いただいている皆様、本当にありがとうございます。これからもぜひ一緒にフラットな世界をつくっていければと思います。

2014年8月25日

ピクスタ代表取締役 古俣 大介

ピクスタインターン制度


今朝の日経産業新聞にピクスタのインターン受け入れの記事を載せてもらったので、(我が社の敏腕広報のプレッシャーもあり)具体的にどういう観点でどのように受け入れているのかを紹介したいと思います。

ちなみにピクスタでインターンを受け入れ始めたのは1年半ぐらい前ですが、インターンからすでに2人ほど起業しており、なぜ学生が起業できるレベルまで成長できるのか、という質問もよくいただくのでそのあたりのヒントもあるかもしれません。


インターン受け入れの前提

まず学生時代にわざわざベンチャーインターンをやろうという学生は、そもそも意識レベルはMAXなわけです(就活のためのインターンを除く)。

なぜなら給料は出ないか、出ても数万ぐらいで金銭的には普通にアルバイトしたほうが全然割がいいし、大学の授業との両立も半端なく大変だし、遊んだり旅行したりする時間を削ってインターンに投下することになります。つまりは「自分が成長したい」という理由以外には何も得がないのですよね。

ただただ「成長したい」という理由でインターンをやろうという意識MAXな学生、おそらく学生の中でもTOP数%ぐらいに意識が高い学生は、経験がなかろうがなんだろうが短期間で成長しないわけがないと思うのです。

なのでうちでインターンを受け入れる際には、まずそういう前提の学生だという認識のもとに受け入れています。

※最近よくある「就活のためのインターン」という前提の学生だとミスマッチが起こる可能性が高いので、そういう学生さんにはちゃんとそのあたりを説明し、大体辞退してもらうことになります。


自分のゴールが見えているか

意識MAXに加えて大事なことは、何のために成長するのか、スキルや考え方を身につけた上でどういうゴールに結び付けたいのか、というつながりが学生に見えているかどうかも重要視しています。

それは起業したいでもいいし、こういう社会の課題を解決したいからスキルを身につけたいでもいいし、20代で経営幹部になりたい、でもいいと思います。なんでもいいのですが、できるだけ具体的なゴールイメージを持つことが、さらに短期間で成長できる要因になります。


最短でMAX成長できる環境を用意する

そのような意識MAXで自分のゴールがちゃんと見えている学生にどういう環境を与えるべきなのか。僕らが大事にしていることは「最短で任せきる環境をつくる」ということです。

インターンの当初は学生にも経験がまったくないので、1ヶ月ぐらいは必死でいろいろ覚える必要があります。最低限の言葉遣いやビジネスマナー、ビジネスコミュニケーションはどういうものなのか等々。それをできるだけ短期間でOJTでマスターしてもらうのですね。

できる学生は1~2週間でそのあたりを大体マスターするので、その後には何らかのプロジェクトを用意して、インターン生をいきなり責任者にして任せるということをやっています。

例えば過去にはピクスタにとって重要な特定ジャンルの大口顧客開拓や、関東各地の専門学校数十校にアプローチし、学生向けの授業を実施して学生ユーザーを集めるといった、社員でもそれなりに大変なレベルのプロジェクトを、入社して1ヶ月ぐらいのインターン生にいきなり全部いりで任せてきました。

当然学生にとってはプレッシャーも半端じゃないし、何から手を付けていいのかもわからない場合が多いです。しかし聞かれれば答えられる状況はちゃんとつくり、またマメにレビューするという定期確認体制を作っておくことは最低限必要ですが、あとはゴールと期限をきちんと共有しておくだけで、意識MAXの学生はたいていやりきれます。

そして大変な分達成感も感じるし、大きな自信をつけてもらうことができます。そういう環境で2~3ヶ月もすると、僕も驚くほど成長を果たして別人のようになってしまいます。それで半年ぐらいたつと、もう就活などしなくても自分で仕事をつくっていける、自分で道を切り開いていけるぐらいの自信がつき、起業していってしまう学生も数人いましたw。


インプットとアウトプットを同時並行で

あと大事なことは、プロジェクトを自分でやり切ったりとにかく動いて結果につなげていく、というアウトプットも重要ですが、同時にインプットの大事さも教えてあげるということです。

実際にプロジェクトに取り組み始めると、初めて社会との接点ができて、今までなんとなくニュースや新聞で見ていただけのビジネスの現場や会議、営業のやり取りなどを実体験として目の当たりにすることになります。

そういったビジネスというものを実際に体験すると同時に、企業や社会がどういう構造でできているのか、今はどういう時代の流れになっているのかということを座学で勉強することで、知識と体験が脳内でつながっていってさらに成長スパイラルを早めることができるのです。

ですのでインターン生にはインターン中に、時間がない中でもちゃんと読書やニュースアプリやソーシャルでの情報収集は欠かさないようにとアドバイスしています。


まとめ

ということで簡単に言うと、

「意識MAXで自分のゴールをきちんと持っている学生を受け入れて」
「フォロー体制とともに重要プロジェクトを任せきって」
「インプットとアウトプットを同時に行うように仕向ける」

ことを徹底すれば半年でMAX成長してくれます。あとはそのまま入社してくれれば経営者としてはいうことないですね(涙目)。

そしてそういう環境でMAX成長したい学生さんを今も熱烈募集中です!
ETIC
Wantedly

また過去ピクスタインターンを経て起業した(してしまった)2人の体験談はこちらから見れます。

体験談1
体験談2

インターネットでの起業にプログラミングスキルは必要か?


こんにちは。コードが書けないネットベンチャー経営者の古俣です。

WEBサービスとかで起業するのにプログラミングはできたほうがいいんでしょうか?」

という質問を、プログラミングができない人からよく受けます。

結論としては「そりゃできるにこしたことはないが、マストでもない」と回答しています。


自分の苦い経験

実は僕も、初めて起業しようと思って自分でECサイトをつくろうとした20歳すぎのときに、プログラミングを独学で勉強したことがあるんですよね。

当時はPerl全盛期で、ほとんどのWEBサービスPerlで書かれていた(らしい)ので、僕もいわゆるリャマ本と呼ばれる「初めてのPerl」という本を買って張り切って勉強し始めてみました。

しかしたしか5ページぐらい進んで「Hello World!!」という文字を画面上に表示させることができたぐらいで、それ以降のページがまったく理解できない、進まない、という状況になってしまいました。

結局そのときにはマスターすることを断念し、ECサイトのシステム部分はプログラミングができる大学の友人に組んでもらいました。

今思うとその本は「Perlが初めての人」向けの本で、「プログラミングが初めての人」向けではなかったのではないかと思うんですよね。当時はあまり情報もなく断念してしまいましたが、今ならTechAcademyドットインストールなどがあり、プログラミングをマスターするための敷居が低くなっていてうらやましいです。(といいつつ何をやるにも遅いということはないですが!)


プログラミングができない場合のデメリット

では僕のようにプログラミングができないのにPIXTAのようなWEBサービスで起業しようとすると何に苦労するのか?というと下記のようなことです。

・サービス立ち上げに必ずエンジニアが1人以上必要になるので、リリース前に採用の労力や人件費がかかる

・自分で気づいたり思いたった機能や改善案を自分ですぐにつくれない

といったところでしょうか。


しかし

実は上記のデメリットは初動段階のみで、遅かれ早かれあまり関係なくなります。

WEBサービスをリリースして改善しながら大きくしていくためには、自分1人ではとても無理なわけです。エンジニアやデザイナー、事業系の人材など、チームで取り組まなければなりません。しかも自社に合った優秀な人を採用していく必要があります。

結局経営者の業務として、早い段階で採用と資金調達(資金繰り)に注力しないといけない段階が来るのです。それらと同時に開発業務を自分でこなしていくのはほぼ無理ゲーとなります。

なので遅かれ早かれエンジニアを採用して開発業務を任せていく必要があるのです。

ちなみにビル・ゲイツザッカーバーグも、起業後しばらくしたら、自分で開発はしなくなったはずです。


大事なこと

ただしWEBサービス企業の経営者として大事なことは、自分でプログラミングができなくとも、最低限のシステム構造やざっくりとした開発手順などを知っておくことです。

例えばこのぐらいの機能をゼロベースでつくるためには、どんな構造でシステムを組む感じになるか、どの程度のリソースが必要なのかを超ざっくりでもいいので自分で想像し、それをエンジニアに確認する。その上で判断をするという姿勢が重要です。

そういう姿勢を経営者が持っていると、プログラミングができなくともエンジニアとはお互いに尊重し合いながら意思疎通がスムーズになり、開発もうまく進むようになります。

ですので「自分は開発できないから全部お任せ♪」という姿勢が最もまずく、自分の事業への想いと実際のプロダクトがどんどんかけ離れていってしまいます。わからない部分はあれども、できるだけ理解しようとするという意識を常に持っておくことが重要です。


さらにSQLを使えると超ベター

SQLとは
SQLは、リレーショナルデータベース管理システム (RDBMS) において、データの操作や定義を行うためのデータベース言語(問い合わせ言語)である。

といいつつ僕もSQLは使えませんが(汗)、SQLを覚えてサイトのデータベースから必要な情報を自由に引っ張ってこれるようになると、経営者としてはかなり重宝すると思います。

さすがにデータを直接いじれてしまうと、大事なデータを消したり上書きしてしまう危険性があるので辞めたほうがいいですが、閲覧のみの環境を用意ししてもらって、いろいろなデータを取り出せるようになるとかなり便利だと思います。

「あの数値はどうなってるっけ?」とちょっと気になったときに自分でさくっとデータを取れるようになるといろんな意思決定の手助けになることは間違いないと数年前から思っています。

・・・なので開発メンバーにそういう環境を用意してくれとずっと頼んでいるのですが、本当にSQLを覚えられるのかという疑いを持たれているらしく、まだスタートできていないという状況orz...


結論として

ということでプログラミングができると、最初のスタートがスムーズにきれるというメリットがあるのはたしかだが、サービスを大きくしていく上ではあまり関係ない、というのが僕の結論です。

ただし「WEBサービス」をつくる上での構造や構成、必要なリソースなどの目算を付けられる程度の知識はつけておくべきです。それはやる気があれば誰でも本やセミナーで勉強できるはずです。

とはいえこれからの時代、英語とプログラミングができるかどうかで人生の選択肢は数倍も広がることは間違いないので、10代でまだ時間がある若者は何が何でもマスターすることをオススメします。

僕も自分の息子にはぜひプログラミングを早いうちに触れてもらいたいと密かに思っています(嫁とのコンセンサスは取れてませんがw)。

いろいろ偉そうに言いましたが、実際プログラミングができたらもっといいことがたくさんあるかもしれなくてそれは僕にはわからないけど、それでもなんとかWEBサービスで起業はできるよ!という話をお送りしました。

現場からは以上です。

ネットベンチャーを8年間やってきて学んだ役に立たない10のこと


こないだピクスタアンテナという当社のオウンドメディアで僕が書いた「ネットベンチャーを8年間やってきて学んだ20のこと」という記事が恐ろしくバズった。(3万PV!)

そこで続編として、個人的には学んだことだが、他人には役に立たないであろうことも10個あげてみた。

ピクスタアンテナでは事前に止められ陽の目を見ない可能性があるので、こちらでコソーリ公開するです!


1)誰よりも早く歩く

歩くスピードは人生のスピードだと思い込んでいる。


2)鬼嫁と結婚する

社長なので会社で怒られなくとも、家で怒られるので謙虚でいられる。


3)スーツは着ない

個性として着るのはいいが埋没を避けるためにスーツは着ない。帝国ホテルの表彰式でも着ない。そして広報に怒られる。


4)人には会わない

人に会わなくても売上が伸びる収穫逓増のビジネスモデルを追求する。しかし実は単に人見知りなだけ。そして社長なのに初めての出張が創業6年後。


5)アダ名をつける

新人が入るとすぐにアダ名をつけて、社内になじむ配慮をする。しかしほとんどは定着せず自分だけが呼んで終わる。


6)ただの返答にも創意工夫

いまどきのネット企業はチャットでコミュニケーションを取っているが、常に改善の意識を持ってちょっとした返答も工夫する。

例)「了解しました→了解サマンサ」「ありがとうございます→ザーマス」「なるほどです→なるほ丼」など。スルーされてもめげない。


7)サッカーは効率的に見る

サッカー好きなネットベンチャー経営者は多いが、1試合1時間半という時間はなかなか取れない。消極的選択肢として2倍速で見る。


8)体調管理に気を遣う

カップラーメンorやきそばを食べるときにはサラダや野菜ジュースも一緒に摂って中和される気になる。しかし中和されるわけがない。


9)クレジットカードは10枚以上つくる

最終手段の借入先としてコミットメントラインを設定しておく(カードつくるだけだけど)。僕は5枚ですんだが、つくれるだけつくっておく。


10)とにかく気合いと根性で乗り切る

やっぱり最終的には気合と根性、と肝に銘じる。4時間かけて請求書の封入をしていた頃を忘れない。


ということで、少しでも起業を志すみなさんのお役に立てればうれしいです。役に立たない!と思ったらぜひシェアをお願いします!

ピクスタマフィア?

ありがたいことに最近はいろいろな形で記事やブログで取り上げていただける機会が増えてきた。


記事の中で「ピクスタマフィア」と言われているが、もちろんペイパルマフィアとは比べようもなく、ピクスタ出身ではまだ2人しか起業していない笑。(他1名準備中)

ということでおこがましくもあるが「ピクスタマフィア」の名付け親であるEast Venturesの松山太河さんが2人に出資もしてくれていて、僕としても嬉しい限りである。

実際に起業した2人は、調べるおさんの記事にあるようにインターン仲介サイトJEEKを運営するTechouseの磯辺くんと、今年の1月に会社設立したばかりのGorooの花房くんである。2人とも学生起業で、基本は休学して事業をおこなっている。

2人ともかなりの気合いと反骨心を持っていたので、それなりにやりきれるだろうと思って僕も後押しをしたが、正直ここまで順調にいくとは思っていなかった。僕の起業時と比べるとまぶしすぎて目を背けてしまうぐらいだ。

本当は起業してもいけるぐらいの超優秀な学生は、せめて3年ぐらいはピクスタでがんばってもらってから起業してくれるのが個人的には理想なのだが、本気でやりたいと思ったら止めても無駄だし、実際早ければ早いほど成功の確率も高まっていくと思う。

ところで調べるおさんの記事で「古俣さんの出身であるガイアックスもAppBankのマックスむらい氏などを輩出している。そういった伝統がピクスタにも受け継がれているのかもしれない、なんて思ったり。」とあるように、まさにガイアックスマフィアは数多く存在している。

Appbankのマックスむらい氏、ソーシャルベンチャーであるウィングルの長谷川氏、去年Findjobスタートアップをメディアとしてブレイクさせた井手氏、サイバーエージェントベンチャーズ北京代表の戴氏、Tokyo Otaku Mode CFOの小高氏、あとこないだまでガイアックスCOOだった中島氏も今年になって起業した。また現ピクスタ役員の遠藤もガイアックス創業役員の1人である。

ちなみにピクスタ創業時はオフィスをガイアックスに間借りしてスタートしたが、住まいも表参道にあったガイアックスの寮に間借りさせてもらっていた。そのときに上記のマックスむらい氏、長谷川氏、井手氏、戴氏の4人もインターンまたは社員として寮に住みこんでいて、1年間一緒に生活を共にしていた。

当時の寮生はとにかくお金がなく、僕も起業したばかりで全然余裕はなかったが、無理して松屋リンガーハットをよくおごっていた。今になって偉くなった彼らにおごっといてよかったな~と思う日々である笑。

ガイアックスメンバーの横のつながりは強くて、いつでもなんでも相談し合える空気があってとてもありがたい。ピクスタを成長させてメガベンチャーとなることで、いろいろとお世話になったガイアックスにも恩返しをしたいと思っている。

今年もありがとうございました2013&振り返りランキング

今年も無事に1年が終わろうとしている。
PIXTAは5月にリリース7周年を迎え、満点とはいかないまでも今年もいろいろな展開ができた。
 
そこで今年のPIXTAにまつわる個人的に印象に残った出来事を、ランキング形式で振り返ってみるです。


第5位 インターン採用開始

これまでピクスタは中途メインで採用をおこなってきたが、このあたりで意識の高い学生を投入して組織内に化学反応を起こすのも良いかと思い、ETICさんの協力を得て2月から採用を開始した。
(ちなみにETICさんにお世話になるのはガイアックス時代と1社目の立ち上げ時に続き3回目である)

1人目でやってきた花房くんという当時横国大の2年生は、古着好きということで面接時にヨレヨレの魔法使いのような格好で現れ、さらに落ち着きがまったくなかったが勢いで採用してしまった。

しかし数カ月後には見違えるように成長し、ある程度の案件までは任せることができるようになって卒業していった。それから1年がたとうとしている今は起業準備中で、僕から見てもけっこういい線までいけるんじゃないかという予感さえ持てるぐらいになっている。

学生はそういう予測不能な非連続成長をするから面白い。その後も普通じゃない学生を数人の受け入れている。


第4位 初の英語プレゼン@ベルリン

11月にベルリンで開催されたマイクロストックフォトエキスポという、世界各地からマイクロストックプレイヤーが集うイベントに参加し、PIXTAのプレゼンを行う機会があった。

当然英語プレゼンなので、事前に社内の帰国子女メンバーを中心に原稿を練ってもらい、数十回の練習を経て望んだところ、それなりに良いプレゼンができた(らしい)。

しかしプレゼン後に「おもしろかったよ」と何人もの欧米人が話しかけてくれたが、そこで英語力不足が思い切り露呈し、表面的な会話しかできずに終わってしまって結果的には自己嫌悪で終了…orz。

「やっぱ帰ったら英語を1番がんばろう!」と毎度思う結果になりましたとさ・・。


第3位 広報の本格スタート

これまでは主にグロースハック的な改善につぐ改善によりPIXTAを伸ばしてきたが、もう一段上の成長を実現するにはということで、広報の重要性を再認識したのがちょうど1年前ぐらいだった。

2009年~2010年ぐらいに起こった副業ブームのときには、テレビや雑誌に毎月のように取り上げられてそこでかなりのユーザーを獲得できたが、ブームが沈静化したあとはあまりメディアに取り上げられることも少なくなった。

そこで6月に広報専任のK嬢を採用し、こちらの記事にあるように無理やり肉を食べてもらいながら広報活動を本格化したところ、半年の間にけっこうな媒体に取り上げてもらうことができた。

これまで制作業界にしかなかった知名度も徐々に広がってきている実感もあるが、来年はさらに多くの人に知られるような活動を行っていく予定。


第2位 海外展開①→シンガポール子会社設立

国内が軌道に乗った今、そろそろ海外展開だろうということで、役員3人でシンガポール/マレーシア/台湾を10日間かけて弾丸リサーチしてきたのが2月。

そこで出た方針を元に、コンテンツ担当役員の内田氏と海外赴任を希望していた岡氏のコンビで、ステルスでシンガポールで活動を始めたのが5月。

そこからはずっと2人でホテル暮らしでかなり大変だったと思うが、半年間で初動としてはけっこうな成果をあげてもらい、晴れて11月に現地法人設立となった。

異国の地でまさに徒手空拳で立ち上げた2人のバイタリティは、これぞベンチャー!ということで
手前味噌ながら本当に尊敬っす。。
(僕ではたぶん無理ぽ・・)


第1位 海外展開②→PIXTAの他言語化

海外展開のもう1つの柱として、7月に英語版、12月に中国語版をローンチした。

当社の商品はビジュアルコンテンツなのでそもそも海外展開しやすいこともあるが、マーケットプレイスとしてそれなりの仕組みボリュームがあるので、1年で2つの言語を立ち上げられたのは褒められてしかるべきだと思う。

まだ取引金額としては微々たるものだけど、アジア含め世界中から素材がダウンロードされ始めているし、数年後のアジアNo1という目標に向けて良いスタートを切れたと思う。

リードエンジニア白倉氏を中心に、企画・開発メンバーが一丸となって頑張ってくれた成果ということでお疲れさんでした!


以上、振り返ってみると今年は海外展開がスタートした大きな節目だったと思う。
来年もさらにがんばります!